日本では新学期は4月、桜の頃ですが。
こちらは夏休みの後、9月が新学期です。
と言うか日本でも元々は新学期は9月だったんですがね。
漱石の「三四郎」なんかをお読みになった方はご存知かと。
世界の大勢は九月新学期ですからね。明治維新後、西洋のいろいろな物を取り入れた日本の新学期が九月だったのは当たり前と言えば当たり前です。この「学期」が四月から翌年三月までとなったのは明治19(1886)年、高等師範学校がそう定めたからだそうで。その後他の学校も右へならえ、と言う訳ですが、それでも大学や高校(旧制。今の大学の教養課程くらいの感覚でしょうか)なんかはまだしばらくの間九月始まりだったそうですね。
日本でも「サマータイム」論議が起こったりしてますけど、「まぁ日本でも昔はサマータイムやってましたしね」なんて言うと驚く方も結構多いですね。これまた横溝正史なんかお読みになった方はご存知かと。「金田一」シリーズじゃなくて「山名耕作」とかが出て来る短編集の方でしたが。(「舌」とか、不気味でしたねぇ)
で、話を戻しますが、新学期ですので、メトロにもこんな広告が溢れております。
新学期を向かえて、どこも学用品、子供服なんかの広告で一杯です。
ところが、本日の主題は新学期でも学用品でもなく、これです。
広告ポスターの額縁 20世紀前半
メトロの駅は初期の頃から、広告を表示する為の、額縁で飾られた広告スペースを持っており、多くはポスターのような貼紙、また時には装飾された陶器であったりもした。1910年に開業した南北鉄道は広告を帯状装飾でかざった。CMP(パリ地下鉄道会社)も1922年からこれに倣った。これら広告スペースの額縁は一般にはハチミツ色の陶器で飾られ、植物や花のモティーフが多く用いられた。通路では、これらの額縁は白いタイルの壁部分とカマボコ型天井部分を分ける軒装飾の色に合わせて茶、緑、青の各色があった。
こういうのですね。
これは説明書きにあるハチミツ色ですね。他の色のはあんまり見かけないんですが。注意力が足りないだけでしょうか。
しかし、この、何気無く毎日見てる広告の額縁って、百年前の物なんですね。そう考えると凄いと言うか何と言うか。やっぱりヨーロッパ人て物持ちが良いですねぇ。
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