2013年1月29日火曜日

そういう日もあるのか。

先日メトロの広告スペースに貼り出されていたポスター。


フットロッカーというスポーツシューズ屋さんとナイキのコラボ企画、「スーパー・ナチュラル・フリーダム」というタイトルですが、詳しい内容は存じません。新しいスポーツシューズか、フットロッカー限定の特別デザインの靴なんだか、ともかく靴底の画像をたくさん並べて、「スーパー・ナチュラル・フリーダム」らしく「鳥」の形を作ったつもりなのでしょうが、これを「鳥」と呼ぶにはちょっと無理があるんでないかい?
おっさんの目にはどうしても「ギャオス」に見えてしまうのですが。

平成版「ギャオス」もありますので若い方でもご存知の方は多いでしょう。
おっさんにとってはやはり「昭和ガメラ」シリーズの三作目「ガメラ対ギャオス」(1967)なのですがね。しかしこの映画、ギャオスが現れて大騒ぎになる一帯が「東名高速道路建設予定地」で、「建設反対運動」が起こっていたり、ギャオス騒ぎによって建設現場の作業員がみんな逃げ出してしまい、残ったのは主任の他にはたった二人だけ。で、その残った作業員が「熊さん」と「八公」ってのがまた。時代を感じますなぁ。

大体メトロの駅構内の広告って、こんな風にコミカルな内容でちょっと笑えるのが多い訳ですが、先日いささか毛色の違うのを見かけまして。


「『落ち込み』の一夜」というものでして、いやぁ、落ち込んでますねぇ。

「あなたの大好きなアーティストがそれぞれの悲しい歌を歌います」
「暗い服装でお越しください」
とか、日本人のおっさんの目から見ればどこまでも能天気に見えるおフランス人様にもこういう瞬間はあるのですねぇ。ま、おっさん本人の性格が暗いですから、その分、明るいラテン系のフランス人の性格が余計能天気に見えるのでしょうが。

とはいえ、フランスに輪をかけてラテン系であるイタリアで生まれた「四性説」にも「憂鬱質」というのがありますね。「四性説」とは、人間の体内を流れる四つの液体のバランスによって性格が決まるというもので、今で言うなら血液型占いに近いです。
血液、粘液、胆汁、黒胆汁の四つの液体が人間の体内にあり、どの体液が支配的かによって人の性格が決まる訳ですが、このうち黒胆汁に支配される「憂鬱質」は、必ず頬杖をついた姿で表されます。

デューラーの版画「メランコリア」なんか、ググったらいくらでも画像が出て来ると思いますが、ちゃんと頬杖をついてます。とはいえ、デューラーの「メランコリア」はルネッサンス期の思想家マルシリオ・フィチーノによって「憂鬱質の人間は『ダメ人間』であり、普通の人々から見れば『不適格者』であるが故に、その『普通でない』一面が良い方向に発揮されれば、常人では考えられない途轍もない大きな事をやってのける」という付加価値が後付けされたものですがね。

元々「憂鬱質」は『ダメ人間』としか看做されなかったのですが、自分自身「憂鬱質」であったフィチーノは、「だからこそ常人とは発想が違うのだ」という部分を付け加えたのですね。
確かに元は落ちこぼれ、でもその後大人物になったという人は多いです。ナポレオン然り、ニュートン然り、アインシュタイン然り。

なんていう事は全て脇に置いといて、このイラストの頬杖をついた女の子、可愛いじゃないか。こういうの結構好きです。なんとなく「メンヘラちゃん」を思わせたりして。というか、だから目に留まったんですがね。

結論がそれかい。

2013年1月19日土曜日

男とはそうした生物らしい。

やぁ、降りましたね。とうとう本格的な雪が。


おっさんが住んでるアパートの中庭?ですが、夕方から3~4時間でここまで積もりました。明日の朝はもっと積もってるんでしょうねぇ。まだ降り続いてますし。


パリでここまで積もってるんですから、地方に出たらなおさらです。昼間、天気予報のサイトを見たら、フランス中に雪のマークが出てました。高速道路閉鎖とかあって大変だった様です。

と、ここまで積もったらやっぱりやらない訳には行くまい。例のあれですよ、あれ。


ま、初雪の時のネタに書いたのもやっぱりこの位の奴でしたが。

日本ではこの胴と頭の二個の雪球で作るのが一般的ですが、アメリカでもフランスでも(多分欧米の多くの国で)、雪球を三個重ねて作る人が多いですね。
そういう海外のとか、ちょっと変わった雪だるまとか、そういうのは「雪だるま 画像」でググれば幾らでも出て来ますからね。まぁ、ヒマな方は見てみて下さい。

と、自分でも「雪だるま」で画像検索したらこんなのがありました。
おっさんみたいなのが世の中に結構いるみたいですね。

http://twitter.com/a_bske/status/290729760458432512/photo/1

2013年1月18日金曜日

「エ・アロール?」

なんていうドラマがありましたねぇ。

「Et alors?」

言葉の意味は「それで?」「だから何?」といった感じです。渡辺淳一さんの小説のタイトルで有名になった言葉ですね。フランスのミッテラン元大統領に隠し子疑惑が待ちあがった時、元大統領が言った言葉です。

二股・隠し子をスクープされたミヤネ屋さんは神妙な顔で「すべて事実です、お騒がせしてすみません」とか言ってたそうですが、ここで「それで?」「だから?」なんて言ったらどうなるのでしょう
かね。

「エ・アロール?」と言ったかどうかは存じませんが、フランス史上有名な隠し子疑惑といえばやっぱりこの人?


ロマン派画家の代名詞、「印象派はドラクロワのモロッコ旅行から始まった」と言われるウージューヌ・ドラクロワの本当の父親はこのタレーランではないかと言われてますねぇ。

ドラクロワといえば日本ではドラゴン・アッシュのサードアルバムのジャケットで有名ですかね。
まだヨーロッパ通貨がユーロで統一されておらず、各国それぞれの通貨を使っていた時代、百フランスフラン札はドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」と「自画像」の図柄でして、日本から来た人をルーブル美術館に連れて行って、ドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」の前で「この絵が百フランの絵です」と言ったら、その人は「え、これが百フランなんですか?」とキョトンとしてました。こんな物百フランで売ってる訳無かろう?

フランス革命後期の指導者の一人タレーラン(本当は長い名前なんですねぇ、シャルル・モーリス・ド・タレーラン・ぺリゴール。)はナポレオン戦争後の「会議は踊る」ウィーン会議のフランス代表を務め、王政を復活させた人ですね。革命後の時代、国際的に統一された度量衡を定めるべきだとしてメートル法を提唱した人でもあります。

そのタレーランが1812年から1838年まで住んでいたというのがここ、コンコルド広場からすぐの所にある、現在は「タレーラン館」と呼ばれている建物。


いや、ノアイユ館とかも凄いですけど(2011/10/17参照)、タレーランさん、こんなとこに住んでたのかいな。

で、このタレーラン館にはもう一つ歴史がありまして、


英語版の方、ピンボケですみません、でも取りあえず読めるので翻訳は省略。
マーシャル・プランについては2012/03/05の記事を御覧頂きましょうか、ってかプランそのものについてはほとんど書いてませんが。戦争で荒れ、疲弊したヨーロッパを「飢え、貧困、絶望、混沌」から救う為、アメリカのマーシャル国務長官が大規模な対ヨーロッパ援助を発表したのですね。

まぁ、国際政治上の事ですからね、綺麗事ばっかりじゃない訳ですが。このプランによってアメリカ企業はヨーロッパ市場に大々的に売り込みをかける大義名分ができた訳ですし、この復興策には東ドイツは入っていなかった(西ドイツは入っていた)事でも分かる通り、東西ヨーロッパ間の分裂は深まってしまいましたよね。

勿論アメリカは多額の無償援助もしてます。

なんか、おっさんとしてはこの「マーシャル・プラン」って、嘗ての「ニュー・ディール政策」をヨーロッパに持って来た、みたいなイメージがあるんですけどね。

ところで「ニュー・ディール政策」といえば所謂「ハネムーン期間」「百日ルール」の起源でもあります。
このところ日本の政権交代の御祝儀相場だか、円相場が落ち着いて来てますね。さて第2次安倍内閣、この百日間で何をするんでしょうか?

2013年1月15日火曜日

「これが塩なら大儲け」

タイトルでわかった方、落語ファンですね。
落語「雑俳」で八っつあんが詠む変な俳句の数々。まぁ「俳句」じゃなくて「雑俳」なんですがね。

「初雪」のお題に対して八っつあんが詠んだ句です。

噺家さんによってご隠居が詠む句も色々とバラエティーがありまして、

「初雪や 鬼の瓦も 薄化粧」とか、
「初雪や 二の字二の字の 下駄の跡」「初雪や 犬の足跡 梅の花」なんてのがあります。

因みにご隠居の句は元禄時代の女流俳人、田 捨女(1634-1698)さんの「雪の朝 二の字二の字の 下駄の跡」のパクリですね。
「初雪や 鶏の足跡 散る紅葉」ってのもありますが。2011/11/07参照。

で、何かと言うと、今日初雪が降った、というだけの事です。ホントいつもながら前置きが長い。


暗くてシャッタースピードが遅いから雪に見えませんけどね。一応降ってるんです。
そういえば日本は大雪だった様ですね。

もう少し雪と分かり易い画像。


大した雪じゃありません。雪だるまができる程積もりもしないでしょうね。

以前、雪が降った時、オニギリを二個くっつけた様な小さな雪だるまを作って、ギャグで冷凍庫に入れて、誰が見つけてどう反応するか楽しみに見てたんですが、それを見つけた家内がネタどころか「こんなイタズラしたのは誰?!」と子供達を叱り始めまして。いや、それシャレだから。

結局おっさんが叱られたのでした。いやはや、奥さんや。

下らん事を書いてるうちに日付も変わり、雪も止んでしまいました。
「犬の足跡 梅の花」と言う程積もりはしませんでしたけど。

ところで猫の足跡は何の花だろう?

2013年1月12日土曜日

そう来たか。

今度は画像がうpできなくなっちまったぜ。色々と起こりますなぁ。
何とかできないかと色々やってみたけど駄目だったので、諦めて今回は画像が無くても何とかなる話。
先日「黒子」→「北斗の拳」というのを書きましたけど、今度は「犬夜叉」→「北斗の拳」説です。

「北斗の拳」(毎回こればっかりで申し訳ありませんが。ひでぶっ。)連載当初の構想は、シンを倒してユリアを取り戻す所までではなかったかと思うのですね。そして人気が出て連載を続ける事が決まってからサザンクロス編以降の新しいストーリーを膨らませて行ったのではないかと。
だから後から水鳥拳、鳳凰拳、紅鶴拳、白鷺拳等々、南斗聖拳の色々な分派の名称が出て来るのに、シンに関してだけは「南斗聖拳」としか書かれてないんだろうと考えるのですよ。(ゲーム版になってから「孤鷲拳」の名が後付けされますけどね。)

で、元々の「北斗の拳」が、宿敵シンを倒し、ユリアを取り戻すというストーリーだったとすれば(結局最後はラオウを倒してユリアを取り戻すんだから同じ事か?)、宿敵奈落(と四魂の玉)を倒す事によって、桔梗の生まれ変わりであり、現代と戦国時代の間で揺れ動くかごめが完全に戦国時代の人間になって犬夜叉の元に来てハッピーエンドという「犬夜叉」のストーリーの原型になってておかしくないし。
何よりシンの最期の台詞「俺が欲しい物はたった一つ、ユリアだーっ!」と、奈落の最期の台詞、「本当の望みだと?そうだ、は只、桔梗の心が欲しかった…」(生まれ変わりで本質的には同一人物とは言え、「犬夜叉」にはヒロインが二人いるんだからこの食い違いはしょうがないですよね)の読後感の類似、とでも言いましょうか。

犬夜叉が使う「鉄砕牙」も、斬った敵の妖力(というか能力)を吸収する刀だし。これまた北斗神拳奥義「水影心」じゃないか。

もう一つ。「目の前で家族を野盗に殺され、ショックで言葉を失った『りん』という少女」、これなんか、高橋留美子さんからの「北斗の拳」へのオマージュなんじゃないか?とか思いますし。
更に「北斗の拳」の「リン」が実は先代天帝の娘だった様に、「犬夜叉」の「りん」も「かごめの様に暖かい」、つまりはヒロインにも匹敵する器を持った人物であったりする訳ですねぇ。

高橋留美子さん、やっぱり「北斗の拳」のファンだったんだろうか。

どうも、若い頃哲学なんぞというモノをやっていたからなのか、色々比較してみるのが好きなおっさんであります。そう言えば「神」と「仏」って、演繹と帰納の違いであって本質は同じじゃないか?なんていう変な卒論を書いたなぁ。無謀な試みだ。あれでよく卒業できたもんだ。というか、これっておかしなコラージュ宗教にハマっててもおかしくない様な話ですよね。クワバラクワバラ。

所で「クワバラクワバラ」というのは、菅原道真公が死後に雷神となり、朝廷に祟りを為した時、菅公の領地であった「桑原」には雷が落ちなかったので、雷避けのまじないとしてそう唱えたのだそうですね。それから雷に限らず何か怖い物から逃れる、或いは避けたい時にそう唱える様になったのだとか。

因みに「幽遊白書」の「桑原」君は、主人公「浦飯幽助」的なネーミングセンスで「桑原」なのかと思ったら、当時話題の野球選手であった「桑田」と「清原」を合わせて「桑原」だったんですってね。

だから何?

ふむ。角川アニメ版「時を駆ける少女」で、真琴が「千昭、千昭…」と呼びながら千昭を追いかけるシーンなんか、1952年のルネ・クレマン監督の映画「禁じられた遊び」で「ミシェル、ミシェル…」と呼びながらミシェルを探すポーレットを思わせますなぁ…

だから何?

2013年1月1日火曜日

新年快楽、恭喜発財…にはまだ早いか。

という事で所謂「あけおめ」です。

で、正月とは何の関係も無い話をひとつ。
TGV(フランスの新幹線、しかし安直な名前だ。「Train a Grand Vitesse(大きなスピードの列車)」とは。)で移動する時、駅の売店でたまたま目に付いたのでトランプを購入。


右はお馴染みの英語式。左が今回購入のフランス式。
英語式の「J・Q・K」にあたる物がフランスでは「V・D・R」なのですね。

言葉の意味はキング(ここでやっぱり南斗聖拳のシンを思い出してしまうおっさんでした。)に当たる「R」→ROI(ロワ)はそのまま王様の事。
クィーンは「D」、英語のLadyに当たるDame、女性の丁寧な呼び方ですね。「マダム」とか「ノートル・ダム」とか。
ジャックに当たる「V」はValetといって、言葉の意味は一般には召使や従者の事ですね。特に中世の騎士の盾持ちをそう呼んだそうですが。
その割にはハートのジャックに描かれた人物はエティエンヌ・ド・ヴィニョル、通称ラ・イール、ジャンヌ・ダルクの戦友、ダイヤはトロイア戦争の英雄ヘクトール、スペードはオジェ・ル・ダノワ、カール大帝の12人の重臣の一人、クラブは円卓の騎士の一人ランスロット、そうそうたる顔ぶれじゃないですか。

で、それはさて置き、フランスのお土産にフランス式トランプ、どうですかね。
凱旋門のお土産物の売店にはナポレオンのトランプ(ここでやっぱりルパン三世の「ナポレオン・カード」の回を思い出してしまうおっさんでした。)がありますし、ルーブル美術館ならモナ・リザのトランプがあるでしょう、多分。確かめた事はありませんが。
モンマルトルの歓楽街ならヌード写真(女性のとは限りませんよ。男性のも、絡みのもあります)のトランプを売ってます。

パリのお土産物屋さんでトランプを見かけたら、「イングリッシュ・スタイル」か「フレンチ・スタイル」か訊いてみたら如何でしょう。「フレンチ」だったら「J・Q・K」ではなくて「V・D・R」になってる筈です。

話自体は正月とは何の関係もありませんけど。
この話の内容なら絵札の画像だけでも良かったんですが、ロイヤル・ストレート・フラッシュにしてみました。

2013年が皆様にとって「ロイヤル・ストレート・フラッシュ!」な年になりますように。

と、取りあえずまとめておきますか。