2013年2月14日木曜日

いや、別に催促してる訳じゃなくて。

バレンタインですねぇ。

以前家族と住んでた頃は、毎年バレンタイン・デーは家に帰ると家内がチョコレートケーキを焼いててくれて、おっさんはおっさんで花束を買って帰るのが恒例でしたなぁ。

まぁ、バレンタインに限らず、ホワイトデー、結婚記念日、家内の誕生日には花束位は買って帰りましたし、母の日は子供達に一本ずつ一輪挿しを買って行って、「ママに渡しておいで」なんてやったもんですが。
娘が反抗期(?)頃には「あんまり渡したくないけど…まぁ…はい」なんて言いながら家内に花を渡してた事もあったっけ。

で、まだ娘達が小さかった頃、バレンタインに花束を買って帰ったら、娘の一人が「ママだけずるい」とか言い出しまして。次の年からは家内に花束を、娘二人にそれぞれ一輪挿しを買って帰る様になりました。
で、その後、息子も生まれたんですが、バレンタインに例年の様に花束と一輪挿しを買って帰り、家内に花束を、娘達に一輪挿しを渡したら、まだ小さかった息子が「あれ?僕には何もないの?」みたいな、キョトンとしたというか何かすごく失望したみたいな顔をしてて、家内が慌てて「今日は女の子にプレゼントする日だから…」とかフォローしてまして。そうか、お菓子か玩具くらい買っといてやれば良かったかな。

で、ある年のバレンタインデーに、普段の年とちょっと違う花を買って帰った事がありまして。「食べられる花」です。


いや、この花束を買って行った訳じゃありませんよ。その時は確か砂糖菓子細工の一輪挿しみたいなのを買いました。

このお菓子のブーケは「Fleuriste du Chocolat」さんのものでして、店名を直訳すれば「チョコレートの花屋さん」ということになりますね。チョコレートに限らずドラジェ(結婚式のお祝いなんかに使う砂糖菓子)とかキャンディとかマジパン(アーモンド粉と砂糖を混ぜて練ったもの)等、いろんなお菓子で作ったブーケがあります。


デザイン上の著作権というか、制限みたいなものの関係で、店内の画像は載せられませんので、外観だけ。上のブーケの写真もお店のカードに使われてるものですし。
ブーケを芸術作品さながらにキャンバスに貼り付けたのなんか、これ、貰っても食べられないよなぁ、なんて思っちゃいます。

芸術的なブーケの数々はこちらで。

http://www.lafleuristeduchocolat.net/

今回はこんなのを買いました。チョコレートのiPhone。


プレゼント用には最適ですねぇ。

ところで、ご存知の通り、バレンタインデーが、女性から男性へチョコレートを贈る「告白の日」なのは日本だけですね。義理チョコってのも日本だけの習慣でしょうね。ホワイトデーもそうですが。

ローマ帝国時代、兵士が恋人や妻子を持つと心置きなく戦う事ができなくなるので、皇帝クラウディウス2世は兵士の婚姻を禁じていました。キリスト教の司祭聖バレンタイン(ラテン語読みならワレンティヌス)は皇帝の命に背いて兵士達を結婚させたので、皇帝の怒りに触れ、処刑されたのですね。
ここから聖バレンタインが処刑された二月十四日は恋人達の祭日となり、欧米一般では男性から女性へプレゼントを贈るようになったんですが、日本だけは何故か女性からの「告白の日」になってる訳ですね。製菓会社のキャンペーンに乗せられたというのが大低の人の見解ですが。

「恵方巻き」も主に関西以西の幾つかの地方に伝えられていたマイナーな習慣だったそうですね。それを大阪の寿司関係の組合の方が、「『土用の丑の日』と言えば『鰻』と決まっている様に、『節分』と言えば『恵方巻き』と決まっている」かの様に宣伝して販売促進キャンペーンを張ったのが、現在の「恵方巻き」の全国的な認知度の始まりなんだとか。
ま、「恵方巻き」の起源は大阪の旦那衆が花街で花魁さんに「黒くて太いものを咥えさせる」という色っぽい遊びだったなんていう説もありますが。それが起源なのか、元々あった「恵方巻き」の習慣を使って旦那衆がそういう遊び方をしたのか、鶏と卵みたいな話ですがね。

なんか話が落ちて来たな。この辺で止めとこう。

2013年2月9日土曜日

明けましておめでとうございます。

明日が中国の(旧暦の)新年ですね。

パリのチャイナ・タウンも新年飾りです。



チャイナタウンがあるパリ南東の13区の区役所も新年飾り&新年用品市?キリスト教国のクリスマス市みたいなもんでしょうかね。


チャイナタウンの中でも最大手のスーパー「Tang Freres」(陳氏超級商場)さんも新年飾り。




こっちはチャイナタウン No2になりますかね、パリ・ストアーさんの飾り。



パリ13区の区役所があるイタリー広場付近では、明日新年のパレードがある訳ですがね。残念ながら明日は仕事で行けませんが。

中国の新年というと、やっぱりあのドラゴンが練り歩く、あれですね。長いドラゴンの所々に棒をつけ、その棒でドラゴンを操りながら行進する奴。

何年か前の事でしたが、パリで「鯉のぼり祭り」とか言うのが催されまして。とは言ってもパリの町中の旗竿に鯉のぼりを取り付ける訳にも行きませんので、この中国のドラゴンと同じやり方で、鯉のぼりを操って練り歩いたそうですが。

何も知らないパリの人々は、きっとあれが「鯉のぼり」という物だと勘違いしちゃったでしょうね、きっと。

んー、ドラゴンのパレード、見に行きたかったんだがな。来年までお預けか。



 



2013年2月8日金曜日

鬼畜…

…米英…
なんて事を言う程古くはないんですがね。
アメリカとイギリスのお話。

太平洋戦争終結後、白洲次郎さんは進駐軍(古いなぁ、今は何て言うんだろう?占領軍?)に対しても日本人の誇りを失わず、堂々と接したそうですが、白洲さんは完璧なオックスブリッジ・イングリッシュ(オックスフォードやケンブリッジで学んだエリートのイギリス英語)を話したそうですね。
で、GHQの高官から「英語が上手ですね」とアメリカのカジュアルな英語で言われたもんだから、「あなたももっと勉強すれば上手くなりますよ」とオックスブリッジ・イングリッシュで言い返したとか。ハーバード訛りみたいなもんか。

御存知の通り、同じ英語でも色々と違いがあるのですね。
ロンドンのタクシーの運転手さんの英語の事とか、「四重人格」の事とか、2011/5/20のネタをお読み頂ければと思いますが。

今度はアメリカ語とイギリス語のお話です。
日本の英語はどっちかと言えばアメリカ語が主流ですね。パリで見かける英語はイギリス語が多いです。


とあるホテルにて。
アソンスール(Ascenseurs)とはフランス語でエレベーターの事ですが、その下の英語表記はElevaterではなくて、リフト(Lifts)です。アメリカ語で「エレベーター」、イギリス語で「リフト」。

その他「パンツ」と「トラウザー」とか、「スケジュール」と「タイム・テーブル」とか、色々と。(スケジュールと書いても、イギリス人は「シェジュール」と発音しますよね。)

先日、日本から見えた方が、パリのレストランの料理のあまりの量の多さについにギブアップしてしまい、もう食べられないから「下げてください」という意味で「テイク・アウェイ」と言ったら、残った料理をお持ち帰り用のパックに入れて持って来たので驚いた、なんて話をしてました。

しかし「下げてください」に「テイク・アウェイ」ですか?「プリーズ」位つけましょうよ、てかそれはさて置き。
イギリス語で「テイク・アウェイ」と言うと、日本で言う(従ってアメリカ語の)「テイク・アウト」に当たるのですね。だからボーイさんは残りの料理を「持ち帰る」のだと思って、親切にパック詰めにしてくれた訳です。


お、うまそうじゃないか、タンドーリ。じゃなくて。
「Eat in」はフランス語では「Sur Place(スュル・プラス)」その場で、と言う意味ですね。
テイクアウトは「A Emporte(ア・アンポルテ)」ですが…指差しフランス語会話集なんかにはそう書いてあるんですが、このEmの発音はアンとオンの中間音で、実際にはどちらかと言うと「オンポルテ」と聞こえます。

耐久レースで有名な「ル・マン(Le Mans)」もフランス語の発音では「ル・モン」に聞こえますね。以前レースを見に行った時、日本の方が

「へぇ、フランスではル・マンの事をル・モンって言うのか」

なんて言ってたんですが、いや、ル・マンの方が日本訛りなんですけど。ジャクソン・ファイブを聞いて「フィンガーファイブに似てる」とか言う様なもんか。喩えが古いな。

で、「お持ち帰り」が「Take Away」。フランス人やイギリス人がナンパや合コンの時にこの言葉を使うかどうかは存じません。

じゃあ、本当にお腹一杯でもう食べられないから「下げてください」と言う時にはどう言えばいいのか?

「レストランで食べ切れなくてボーイさんに『I'm full』と言ったら通じなかったんですけど…」

なんて言ってた方もいましたが。「I'm full」ねぇ。ところで本当に英語でそう言うのかいな?よく知りませんが。

まだお皿に料理が残っていても、「食べ終わった」「この皿はもう終わり」という意味で「フィニッシュ」でも通じますけど、

「そーりー、いと わず べりーぐっど、ばっと とぅー まっち ふぉー みー」

位の事は言いましょうよ。で、お腹をポンポンと叩いて見せれば分かってくれるでしょう。
敢えてフランス語で言ってみたければ

「えくすきゅぜ・もわ、せて とれ ぼん、め とろ ぷーる もわ」

ですかね。「フィニッシュ」「テイク・アウェイ」の一言じゃちょっとね。

しかしなぁ…

詳しくは2011/4/7のネタをお読み頂きたいのですが、先日、

「夕方の飛行機で日本に帰るのに、12時にはホテルをチェックアウトしなければならない。ホテルに荷物を預かって貰うには何と言ったら良いんでしょうか?」

と訊かれて、例によって

「ぷりーず きーぷ まい ばげーじ。あい かむ ばっく あっと すりー さーてぃー。 で充分通じますよ」

と言いかけたら、

「え?え?そんなに一遍に言われたら覚えられない!え?何ですか?『ぷりーず』?はい、『プリーズ』。で、それから?『きーぷ』?『キープ』はい。…」

とメモを取り始めた方もいまして…

これまた2011/6/24に書きましたが、どうですかね。自分で英語が話せないと頭から思い込んでる方、中学・高校の英語の教科書、もう一度引っ張り出して読んでみませんか?

おっさんは英語に限らず、子供達の学校の教科書を読むのが結構好きなんですが。
子持ちの方、如何でしょう。面白いですよー。

おっさんの子供時代には「いい国作ろう鎌倉幕府」と語呂合わせで覚えた様に、鎌倉時代は頼朝が征夷大将軍に任命された1192年からと教わったものです。現在でも、如何に実際に政権を掌握していようとも、「征夷大将軍」を戴かないうちは正式な幕府ではないという解釈もありますが、公式には幕府の実効支配が確立した1185年を鎌倉時代の始まりとする説の方が主流ですね。

更に言えば、頼朝が「寿永の宣旨」によって朝廷から坂東の支配権を認められた1183年からという説、1180年「以仁王の挙兵」に続く治承・寿永の乱と頼朝の挙兵をもって鎌倉時代の始まりとする説もあり、はたまた鎌倉幕府の基本法たる「御成敗式目」が制定された年と言うなら執権・北条氏の時代に入ってからの1232年です。

「鎌倉時代は何年から?」という単純な問いに対してさえこれだけの解釈がある訳です。
時代は変わって行くのですねぇ。どうですか?お子さんの教科書を読んでみるのもたまには良いかも知れません。

英語の話をするのに鎌倉時代まで遡らなきゃならんのか。
まぁ、現代英語の基礎を形作る事になるウィリアム征服王のイギリス征服は1066年ですがね。それまで話されていた古英語(サクソン語)と、支配階級に入って来たフランス語がミックスされて現在の英語の基礎ができる訳ですが。

やっと話がヨーロッパに帰って来たか。やれやれ。

2013年2月5日火曜日

少しは見ましょうね、自分の目で。

先日、日本人観光客も結構利用しているあるホテルにて。
顔見知りのフランス人ホテルマンが話しかけて来て言う事には、

「なぁ、このマークって、日本では何か特別な意味があるのかい?」

で、エレベーターの所に連れて行かれました。彼が指し示したのは緊急用ボタン。

「ん?非常ベルのマークじゃないか。これは世界共通で緊急用だろ…?」

しかし次の瞬間、彼の言いたい事がわかったのでした。

「あぁ、日本人が緊急でもないのにやたらと非常ボタンを押すって話かい?」
「そうなんだ、どういう事なんだ?」



パリではよくあるんですがね。御覧の通り、このエレベーターには「開く」ボタンはあるけど「閉じる」ボタンが無い。
そう、「開く」ボタンの隣には「閉じる」ボタンがあると思い込んでいる日本の方は、エレベーターに乗り込むと同時に、良く見もしないで(「開く」ボタンの隣にある)非常ボタンを押してしまうのですね。

で、ホテルの人がエレベーターに駆けつけると…
非常ボタンを押した当の日本人は「一体何事?」てな感じでキョトンとしてる。
迷惑な話です、確かに。

まぁ、勿論「閉じる」ボタンがついてるエレベーターもありますよ。


もう一つ日本の方がやる勘違いに、ホテルから出る時に、地上階(0階)に行かなきゃいけないのに、1階(日本で言う2階)のボタンを押してしまうというのがあります。これは本人が

「あれ?ここロビーじゃない… あ、そうか、こっちではロビーは0階だったっけ」

で済む話ですけど。

パリ(に限らずヨーロッパは大抵そうでしょうが)では0階、1階、2階と数えますのでね。
イギリスの「G(グランド・フロア=地上階)」の表示と同じく、フランス語には地上階を表す「RC」ってのもありますよ。



Rez de Chaussee は日本語にすれば…道路のレベル…とでも訳しましょうか。頭文字をとって「RC」です。画像にある「ES」ってのは「Entresol」中二階ですね。このエレベーターでは特別な鍵か何かが無いと中二階のボタンは押せない様になってますから、従業員専用、関係者以外立ち入り禁止なんでしょうが、ホテルによっては中二階にバーやレストランが入ってる事もありますし、それは建物によって様々です。

何と言うか、日本人旅行者の方って、よく

「日本の感覚では…」「日本だったら…」

と言いますが、ここは日本じゃないからね。

日本では「開く」ボタンの隣には「閉じる」ボタンがあるのが当たり前でも、世界中どこへ行っても同じとは限りませんのでね。

と言うか、ボタンを押す前に、自分が何のボタンを押そうとしてるのか、その位は自分の目で見た方が宜しいかと。