2011年9月8日木曜日

正教会を二つ。

フランスは国民の7割から8割がカトリック信者と言われてますね。ゲルマン民族大移動で建国されたフランスの前身、フランク王国の初代国王クローヴィス王が496年にカトリックに改宗して以来のカトリック国です。

では、フランス第二の宗教は?フランスで二番目に人口の多い宗教はイスラムなのですね。アラブ国、アフリカのアラブ圏からの移民も多い国ですし。

ほかにユダヤやプロテスタントはじめ、様々な宗教がありますが、少数ながら、正教系の教会もありまして、今回はその二つを紹介しようかと。

ギリシャ正教。これはあんまり教会に見えませんね。なんかアパートの一階部分を改造したみたいな感じです。


ここの教会はいつも閉まっていて、何回行っても中を見学する事ができないんですが。やっぱりカトリックの教会とは違って、誰もにオープンにはなってないのかも知れませんね。
入り口の両側にあるプレートは、


うーん、「It's Greek to me」って奴ですね。然らばフランス語。


「コンスタンティノープル世界総大司教、ギリシャ正教フランス大司教座、コンスタンタン・エ・エレーヌ教会」

コンスタンタンとは日本で言うコンスタンティヌス帝、エレーヌはヘレナになりますね。先代のコンスタンティウス帝とお后様ヘレナさんの息子がコンスタンティヌス帝、キリスト教を受け入れたローマ皇帝です。
コンスタンティヌス帝の甥が「背教者」ユリアヌス帝ですね。辻邦生さんが書いてますが。「ガリラヤ人よ、汝は勝った」と言い残したと伝えられる皇帝です。

もうひとつはロシア正教。ここは中に入った事はありますけど、写真撮影禁止なので内部の画像はありません。悪しからず。


外から見ても十分エキゾティックですが、中は本当に別世界ですね。近くを歩いている聖職者さん達もカトリック教会とは随分違います。

なんか、カトリック教会の壁画や天井画はルネサンス時代以降のものが多いですけど、正教系ってイコンとかが多くて、絵画も中世からルネッサンスへの過渡期の辺りで時間が止まってるみたいな感じです。


アレクサンドル・ネフスキー教会といいます。

ネフスキーさんはウラジミール大公であり、聖人です。ネフスキー公の名を冠した教会はここに限らずいくつかありますね。ポーランド、ブルガリア、エストニア、ウクライナ等々。

まぁ、本来「正教」というのがひとつの括りで、ギリシャもロシアもグルジアもアルメニアも、そして日本も、同じ「正教」というグループに入る訳ですが。

その中ではロシア正教はちょっと特殊で、「改革派」として台頭した新興勢力が「オルトドクス(正統派)」を名乗るようになった数少ない(というかほぼ唯一の?)宗教なんですね。船戸与一氏も書いてます。
「カトリック(普遍的な)」に対して「プロテスタント(抗議する者)」というのと、大分事情が違いますね。

そして更に「鞭身派(フリストイ)」と「虚勢派(スコプトイ)」の対立(というか分裂?)もありました。
日本でもよく創作などで使われますが、「怪僧ラスプーチン」なんかもこの時代の人ですね。男の巨根願望の現われというか、日本なら道鏡なんでしょうが。

教会の話から、思いっ切り煩悩が炸裂しとりますなぁ。

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