古いなぁ。古過ぎる。70年代に流行ったカゴメ野菜ジュースのTVCMですが。田舎の農家から、都会で独り暮らしの息子に向かって親御さんが呼びかけるシリーズですね。
俳優さん達が演じていたのか、本当に独り暮らしの子を持つ親御さんに出演して貰っていたのか、どうなんだろう?呼びかける子供の名前もいろいろで、「野菜を摂らなきゃ」はほぼ一緒でしたが、「ダメだぞ、ダメじゃないか」にあたる部分はバージョンによって違っていて、「だちかんぞー」とか「だめじゃにゃーきゃー」とか。おっさんの記憶の中では「らちかんぞー」で、「らちかん」つまり「埒が明かない」→「ダメ」という意味だと理解していたのですが、濃尾平野の正統な方言では「だちかん」なんだそうですね。
因みに高橋留美子さんの代表作の一つ「うる星やつら」のひとコマにもこのCMのパロディがあって、八百屋さんの店先に「野菜をとらにゃらちかんぞー」と読めるポスターが貼ってあるシーンがあったりしましたね。「うる星」のサンデー連載は78年から87年まで(覚え易いな)、CMのほうは76年頃に流れた物だそうですからね。
で、野菜の話。独り暮らしのおっさんとしては、普段いい加減な食生活をしとります。
しかしこの「いい加減」というのも変な言葉ですね。良い加減、加減が良いのなら、「良い加減」なのは良い事じゃないのか?風呂の湯「加減」が良かったり悪かったり、病気の人に「お加減は如何ですか?」と尋ねたりしますけど、「加減が良い」のに、「良い加減」というのは良い意味では使われませんよね。
序でに言うと「適当」もそうで、「適して」「当たってる」んだからこれは良い事じゃないか。でも「適当」という言葉もマイナスイメージしかありませんね。子供の頃、テストの問題で「次の文章の(括弧)の中に『適当な』言葉を入れなさい」「日食は( )が( )を隠してしまうために起こる現象で、部分的に隠れるものを( )、全体が隠れるものを( )という」みたいなのがありまして、おっさん(註:当時は子供)は「これ、テキトーな言葉を入れたら0点だよな」などと考える捻くれた子供でありました。
ま、殿様が言う「良きに計らえ」みたいなもんか。
で、だから野菜の話。悪い意味で「いい加減」な食生活ではまずいので、食事のバランスを良い加減にするため、なるべく野菜を摂る訳ですね。ここしばらくは頂き物のコンソメスープの素がしこたまあるので、人参・ブロッコリー・卵コンソメスープをしょっちゅう作っておりました。(日本みたいに独り暮らし用の、一人分の野菜のパックなんて売ってませんからね)
が、コンソメについて素直に書くようなおっさんではないのですね。これが。
今日はサラダの浅漬け。こんなの。
作るのも簡単、ご飯がス○ム君(これまた古いな)、つまみにも良し。
だしの素(これも貰い物)大匙1、ニンニク顆粒大匙1、塩小さじ1、胡麻油少々をカップ一杯の湯で溶いて、市販の袋入りのミックスサラダ一袋の半分に絡めてしばらく放置。以上。食べ終わったら残った汁にサラダの残り半分を絡めてまた放置。
因みにだしの素はコンソメの素のキューブでも代用可ですね。
と、最初の画像の様な物が出来上がります。放置する時に冷蔵庫に入れておくと、サラダに塩気が浸み込んでしんなりした頃には良く冷えててこれまた結構。(こりゃ股けっこう?これも古いな)
で、先程出て来た「ニンニク顆粒」ですが、これ、ニンニク風味は出るけど、食べた後でも臭いは気にならないので(と思ってるのはおっさんだけで実は周りの人は嫌がってるとか?そうも思えないんだけどな)、いろんな物に振りかけちゃ喰っとります。
で、この容器、蓋の部分が二箇所開くようになっておりまして、その一:振りかけ用
その二:反対側はスプーン突っ込み用
で、たまに開ける蓋を間違ってしまい、「パラパラ」のつもりが「ドサッ」…「やっちまったー!」てな事になったりします。
ニンニク顆粒で「やっちまっ」ても大した事はありませんが、上の画像を良ーく見ると?
そう、これは胡椒です。胡椒の容器も同じ構造になってましてね。胡椒で「やっちまっ」たら…
いやー、どんな食べ物が出来上がるんだろうか。ああ恐ろしい。
止めて下さいよ、こういう容器。せめて大きな穴のパラパラと小さな穴のパラパラにするとか。大体胡椒をいきなり大匙一杯使う事なんてありませんからね。胡椒の容器にスプーン突っ込み用の穴は必要無いだろうに。「大は小を兼ねる」とは言いますけどねぇ。
振りかける前に自分で確認すりゃいい事なんですけどね…
2014年5月31日土曜日
2013年8月31日土曜日
御無沙汰様で。
ふうむ、何だか春先になると、おっさんはその先しばらくの間やる気がガックリと落ちる様ですな。
五月病ならぬ三月病とでも名付けようか。
てな訳で久々の更新。
ま、「三月病」はさて置いて、健康状態の方は至って普通なおっさんであります。先日(と言ったって数ヶ月前だ)の健康診断でも何ともなかったしね。
前回の健康診断ではお医者さんから「あんたはあと禁煙だけすれば完璧よ」と言われまして。
で、そんな話をしたら、
ある知り合い 「でっしょおぉぉぉぉぉ~~~!?」
おっさん 「?????」
一瞬意味が判らなかったのですが。あ、そう言えばこの人は嫌煙家だったな。
吸わない人の典型的思考回路ですね。「だから禁煙しなさい」と。
典型的な「吸う人」の思考回路はと言うと、
「な~んだ、煙草吸ってても、普通に暮らすのに支障ない程度にそこそこ健康で居られるんじゃないか、じゃ、『煙草を吸うと人生崩壊する』かの様なあの禁煙の煽りは何なんだ?ジブリアニメへの苦情とかにしても?」
ま、フランスにもモンスター嫌煙家は居ますけど、まだまだ日本よりも大らかです。
「そんな事言って、そのうち分るわよ」という声が聞こえて来そうですが、仰る通り。ご期待の通り(ホント、モンスター嫌煙家って、喫煙者が肺癌になるのを『期待してる』としか思えない)肺癌になるかも知れないし、肺癌になる前に他の病気になったり、ひょっとしたら車に轢かれて死ぬかも知れない。
ま、どっちにしろ。先の事は誰にも分らない。
そう言えば、嘗て人類最長寿記録保持者だった泉重千代翁がお医者さんに勧められて禁煙したのは108歳の時でしたなぁ。とは言え重千代翁の生年には異論もありますが。それを差し引いたって93歳だろ?
自分がそこまで長生きするとは思ってませんけどね。あ、でも一番下の子が成人するところと、孫の顔は見たいかな。
禁煙ファッショの話など始めるとキリが無いのでね。この辺にしといて、ここまでが「前回の」健康診断の話。で、「今回の」診断でも特に問題無し。
今回の診断で言われたのは唯一、
「あんた、いい加減老眼鏡かけなさい」
でした。
で、細かい字を見る時の、焦点距離と腕の長さの比率も限界に近づいてましたのでね、買いましたよ、老眼鏡。
おお、手元の細かい文字だけじゃなく、周り中全ての物が大きく見える(当たり前だ)。うっかり老眼鏡をかけたまま細かい文字から目を上げて前を見たりすると…乗り物酔いの時の様な吐き気がしますな。
それはさて置き、そう、大きく見える。という事はこれは凸レンズ、虫眼鏡と同じですね。
子供の頃やりませんでした?虫眼鏡で太陽光を集めて紙を焦がす、あれ。
虫眼鏡で板を焦がして絵を描くアートも見た事ありますし。
車のフロントガラスに貼り付けた吸盤や、窓辺に置いた金魚鉢がレンズの役目をして、太陽光を集めて火事になった話とか。
消防署員 「火事の原因に心当たりはありませんか?」
おっさん 「そういえば…老眼鏡を家に置き忘れて…あっ、窓辺に置いてあったかも…」
などという事は果たして有り得るのか?
試してみれば良いんですねぇ、いや、別に面白がってる訳じゃなくて、知っといた方が安心じゃないですか。幸い今日は天気も良いし。それでは早速。
黒い文字に焦点を合わせます。ふむ、虫眼鏡で集めた太陽光の焦点よりも、だいぶ大きい光の玉ですな。実際、虫眼鏡の場合の様にみるみる焦げて煙が出て来る、という訳ではないらしい。
それでもやっぱり「心配なので」、焦点を合わせ続ける事10分程。やっぱり燃え出す気配は無い。
ま、これだけ焦点を合わせ続けても焦げないんだから、火事になる前に太陽が傾いてしまうだろう、つまり「老眼鏡火災」の心配は無いという事でしょう。「素朴な疑問」が一つ解消されてすっきりしましたねぇ。 と思いきや、紙の裏側を見ると…
焦げてた。火事になる程ではないにしろ、やっぱり凸レンズ、紙をうっすらと焦がす位はできるんですね。例えば、紙の質なんかによっても燃え易いのと燃えにくいのとあるかも知れないし、これが紙でなくてビニールやプラスティックだったりするともっと燃え易いかも知れない。 という訳で、「老眼鏡火災」は、まず無いとは思うけれど、絶対に有り得ないとも言い切れないという結論に達したのでありました。
… 久々の更新だというのに、何やってんだか、全く。 …
ともあれご同輩。老眼鏡の扱いには注意致しましょう。
ここまで書いて、「一服しに」中庭に出たら、「夏の大三角形」と北極星が見えまして。
エッフェル塔の近く、シャン・ド・マルス公園に行くと、周りに高い建物が無くて街灯とかも少ないので、冬ならオリオンが、今の時期なら白鳥座・織姫・彦星(これが「夏の大三角形」ですね)がよく見えます。
カシオペアと北斗七星は年間通して見られます。今の時期は夜11時頃、丁度北斗七星がエッフェル塔に架かって見えます。
死兆星は…
見える訳ねーだろ。
五月病ならぬ三月病とでも名付けようか。
てな訳で久々の更新。
ま、「三月病」はさて置いて、健康状態の方は至って普通なおっさんであります。先日(と言ったって数ヶ月前だ)の健康診断でも何ともなかったしね。
前回の健康診断ではお医者さんから「あんたはあと禁煙だけすれば完璧よ」と言われまして。
で、そんな話をしたら、
ある知り合い 「でっしょおぉぉぉぉぉ~~~!?」
おっさん 「?????」
一瞬意味が判らなかったのですが。あ、そう言えばこの人は嫌煙家だったな。
吸わない人の典型的思考回路ですね。「だから禁煙しなさい」と。
典型的な「吸う人」の思考回路はと言うと、
「な~んだ、煙草吸ってても、普通に暮らすのに支障ない程度にそこそこ健康で居られるんじゃないか、じゃ、『煙草を吸うと人生崩壊する』かの様なあの禁煙の煽りは何なんだ?ジブリアニメへの苦情とかにしても?」
ま、フランスにもモンスター嫌煙家は居ますけど、まだまだ日本よりも大らかです。
「そんな事言って、そのうち分るわよ」という声が聞こえて来そうですが、仰る通り。ご期待の通り(ホント、モンスター嫌煙家って、喫煙者が肺癌になるのを『期待してる』としか思えない)肺癌になるかも知れないし、肺癌になる前に他の病気になったり、ひょっとしたら車に轢かれて死ぬかも知れない。
ま、どっちにしろ。先の事は誰にも分らない。
そう言えば、嘗て人類最長寿記録保持者だった泉重千代翁がお医者さんに勧められて禁煙したのは108歳の時でしたなぁ。とは言え重千代翁の生年には異論もありますが。それを差し引いたって93歳だろ?
自分がそこまで長生きするとは思ってませんけどね。あ、でも一番下の子が成人するところと、孫の顔は見たいかな。
禁煙ファッショの話など始めるとキリが無いのでね。この辺にしといて、ここまでが「前回の」健康診断の話。で、「今回の」診断でも特に問題無し。
今回の診断で言われたのは唯一、
「あんた、いい加減老眼鏡かけなさい」
でした。
で、細かい字を見る時の、焦点距離と腕の長さの比率も限界に近づいてましたのでね、買いましたよ、老眼鏡。
おお、手元の細かい文字だけじゃなく、周り中全ての物が大きく見える(当たり前だ)。うっかり老眼鏡をかけたまま細かい文字から目を上げて前を見たりすると…乗り物酔いの時の様な吐き気がしますな。
それはさて置き、そう、大きく見える。という事はこれは凸レンズ、虫眼鏡と同じですね。
子供の頃やりませんでした?虫眼鏡で太陽光を集めて紙を焦がす、あれ。
虫眼鏡で板を焦がして絵を描くアートも見た事ありますし。
車のフロントガラスに貼り付けた吸盤や、窓辺に置いた金魚鉢がレンズの役目をして、太陽光を集めて火事になった話とか。
消防署員 「火事の原因に心当たりはありませんか?」
おっさん 「そういえば…老眼鏡を家に置き忘れて…あっ、窓辺に置いてあったかも…」
などという事は果たして有り得るのか?
試してみれば良いんですねぇ、いや、別に面白がってる訳じゃなくて、知っといた方が安心じゃないですか。幸い今日は天気も良いし。それでは早速。
黒い文字に焦点を合わせます。ふむ、虫眼鏡で集めた太陽光の焦点よりも、だいぶ大きい光の玉ですな。実際、虫眼鏡の場合の様にみるみる焦げて煙が出て来る、という訳ではないらしい。
それでもやっぱり「心配なので」、焦点を合わせ続ける事10分程。やっぱり燃え出す気配は無い。
ま、これだけ焦点を合わせ続けても焦げないんだから、火事になる前に太陽が傾いてしまうだろう、つまり「老眼鏡火災」の心配は無いという事でしょう。「素朴な疑問」が一つ解消されてすっきりしましたねぇ。 と思いきや、紙の裏側を見ると…
焦げてた。火事になる程ではないにしろ、やっぱり凸レンズ、紙をうっすらと焦がす位はできるんですね。例えば、紙の質なんかによっても燃え易いのと燃えにくいのとあるかも知れないし、これが紙でなくてビニールやプラスティックだったりするともっと燃え易いかも知れない。 という訳で、「老眼鏡火災」は、まず無いとは思うけれど、絶対に有り得ないとも言い切れないという結論に達したのでありました。
… 久々の更新だというのに、何やってんだか、全く。 …
ともあれご同輩。老眼鏡の扱いには注意致しましょう。
ここまで書いて、「一服しに」中庭に出たら、「夏の大三角形」と北極星が見えまして。
エッフェル塔の近く、シャン・ド・マルス公園に行くと、周りに高い建物が無くて街灯とかも少ないので、冬ならオリオンが、今の時期なら白鳥座・織姫・彦星(これが「夏の大三角形」ですね)がよく見えます。
カシオペアと北斗七星は年間通して見られます。今の時期は夜11時頃、丁度北斗七星がエッフェル塔に架かって見えます。
死兆星は…
見える訳ねーだろ。
2013年1月19日土曜日
男とはそうした生物らしい。
やぁ、降りましたね。とうとう本格的な雪が。
おっさんが住んでるアパートの中庭?ですが、夕方から3~4時間でここまで積もりました。明日の朝はもっと積もってるんでしょうねぇ。まだ降り続いてますし。
パリでここまで積もってるんですから、地方に出たらなおさらです。昼間、天気予報のサイトを見たら、フランス中に雪のマークが出てました。高速道路閉鎖とかあって大変だった様です。
と、ここまで積もったらやっぱりやらない訳には行くまい。例のあれですよ、あれ。
ま、初雪の時のネタに書いたのもやっぱりこの位の奴でしたが。
日本ではこの胴と頭の二個の雪球で作るのが一般的ですが、アメリカでもフランスでも(多分欧米の多くの国で)、雪球を三個重ねて作る人が多いですね。
そういう海外のとか、ちょっと変わった雪だるまとか、そういうのは「雪だるま 画像」でググれば幾らでも出て来ますからね。まぁ、ヒマな方は見てみて下さい。
と、自分でも「雪だるま」で画像検索したらこんなのがありました。
おっさんみたいなのが世の中に結構いるみたいですね。
http://twitter.com/a_bske/status/290729760458432512/photo/1
おっさんが住んでるアパートの中庭?ですが、夕方から3~4時間でここまで積もりました。明日の朝はもっと積もってるんでしょうねぇ。まだ降り続いてますし。
パリでここまで積もってるんですから、地方に出たらなおさらです。昼間、天気予報のサイトを見たら、フランス中に雪のマークが出てました。高速道路閉鎖とかあって大変だった様です。
と、ここまで積もったらやっぱりやらない訳には行くまい。例のあれですよ、あれ。
ま、初雪の時のネタに書いたのもやっぱりこの位の奴でしたが。
日本ではこの胴と頭の二個の雪球で作るのが一般的ですが、アメリカでもフランスでも(多分欧米の多くの国で)、雪球を三個重ねて作る人が多いですね。
そういう海外のとか、ちょっと変わった雪だるまとか、そういうのは「雪だるま 画像」でググれば幾らでも出て来ますからね。まぁ、ヒマな方は見てみて下さい。
と、自分でも「雪だるま」で画像検索したらこんなのがありました。
おっさんみたいなのが世の中に結構いるみたいですね。
http://twitter.com/a_bske/status/290729760458432512/photo/1
2012年3月15日木曜日
「風が無いからな。」
第二次世界大戦後、戦災によって荒れ、疲弊したヨーロッパを救う為に、アメリカのジョージ・マーシャル国務長官は俗に言う「マーシャル・プラン」を提唱しました。そしてマーシャル長官はノーベル平和賞を授与される訳です。で、このマーシャル長官の言葉として伝えられているのが、結婚式のスピーチに使われる「凧と尻尾の譬え」ですね。
おっさんの父親も、どなたかの結婚式でこのスピーチをしたらしいですが、内容は
「尻尾が凧本体とちゃんと調和していなければ凧は上がらない、夫婦も夫と妻が調和していなければ」というものですね。一般には「新郎という凧が社会という空に上がって行けるかどうかは、奥さん、尻尾である貴女にかかっているんですよ」みたいな使い方が多かった様で、女性が強くなった現在では、「私は尻尾じゃない!」なんぞと怒られてしまうそうで、この「凧と尻尾の譬え」はあまり使われなくなって来たとか。
増して今時、尻尾を調整しなきゃ上がらない凧なんてよっぽどのマニアの方しか見る機会は無いんじゃないでしょうかね。
で、この続きのギャグがありまして、
奥さん「私は最高の尻尾だと思うんだけど、貴方という凧は何故一向に上がらないの?」
旦那 「風が無いからな。」
と、そういうオチです。
何でいきなりこういう話かというと、結婚記念日だからですよ。
ま、去年結婚記念日ネタを書いた時の家内の反応は
「そういえば結婚記念日って3月頃だっけ」
でしたからね。今年もまた期待に違わずボケてくれる事でしょう。
清水義範氏が「ことばの国」収録の「スピーチとスカートは」で、「結婚式のスピーチでは夫婦を変な物に譬える」例として挙げているのは「お茶漬け」です。いや、直接お茶漬けとは書かれてはいませんが、「どんなおいしい料理でも毎日食べ続けると飽きて来ます…って、結婚式のスピーチでそんな事を言っちゃまずいだろ」という様な事が書かれております。
これは手元にある「講談社 日本語大辞典」の巻末のスピーチの例文集にも出ておりまして、元宮内庁侍従長入江相政氏のスピーチからの引用として、
「(前略)本日のメニューを拝見しますと大変な御馳走でございます。(中略)しかし、この御馳走も二度三度続けていたら多分飽きてしまい、きっとお茶漬けがほしくなるでしょう。夫婦とはお茶漬けの味であります。(後略)」
とあります。
これにはまた元ネタがありまして、斉藤緑雨が萬朝報や読売新聞に書いた警語に収められていますが、緑雨酔客が友人の結婚式で行ったスピーチから取った物ですね。まぁ、このスピーチでは「夫婦とは」ではなく「妻とは」お茶漬けであると言ってます。曰く「味醂鰹節は一時也、茶漬は永遠也」と。それこそまずいだろ。
このスピーチは他にも「妻に全きを求むるは夫の非道也、夫をして飢えざらしむれば妻の務めは終れる也」とか、今では考えられない、やはり明治という時代でなければ発せられなかったであろう言葉が満載ですけどね。
「緑雨警語」中野三敏 冨山房百科文庫、面白いですよー。
で、おっさんは結婚を何に譬えるかといえば、「巣」じゃないかと思う訳ですね、これが。
自分の占めるべき場所、帰るべき場所。(ガンダムも、ガンタンクも、ガンキャノンも、それぞれ別個に作戦行動をしても、必ずホワイトベースに帰還する訳ですな。或いは「科学忍者隊ガッチャマン」のゴッドフェニックス、はたまた「サンダーバード」のトレイシー・アイランドと言おうか。)
新婚家庭の事を俗に「愛の巣」なんぞと申しますが、その「巣」にもいつか、雛鳥が口を開けてピーピー言って待つ様になり、やがて雛鳥も巣立つんですね。
そうなるまでにはまだまだ時間がかかるけど。
緑雨酔客の「味醂鰹節は一時也」じゃありませんが、「取りあえず結婚とは『巣』であると言っておけば、今後万一『何か』あったとしても、『巣に帰る鳥が途中の小枝で羽根を休めただけだ』と言い訳できるかな」なんて事は別に考えてませんからね。うん。
おっさんの父親も、どなたかの結婚式でこのスピーチをしたらしいですが、内容は
「尻尾が凧本体とちゃんと調和していなければ凧は上がらない、夫婦も夫と妻が調和していなければ」というものですね。一般には「新郎という凧が社会という空に上がって行けるかどうかは、奥さん、尻尾である貴女にかかっているんですよ」みたいな使い方が多かった様で、女性が強くなった現在では、「私は尻尾じゃない!」なんぞと怒られてしまうそうで、この「凧と尻尾の譬え」はあまり使われなくなって来たとか。
増して今時、尻尾を調整しなきゃ上がらない凧なんてよっぽどのマニアの方しか見る機会は無いんじゃないでしょうかね。
で、この続きのギャグがありまして、
奥さん「私は最高の尻尾だと思うんだけど、貴方という凧は何故一向に上がらないの?」
旦那 「風が無いからな。」
と、そういうオチです。
何でいきなりこういう話かというと、結婚記念日だからですよ。
ま、去年結婚記念日ネタを書いた時の家内の反応は
「そういえば結婚記念日って3月頃だっけ」
でしたからね。今年もまた期待に違わずボケてくれる事でしょう。
清水義範氏が「ことばの国」収録の「スピーチとスカートは」で、「結婚式のスピーチでは夫婦を変な物に譬える」例として挙げているのは「お茶漬け」です。いや、直接お茶漬けとは書かれてはいませんが、「どんなおいしい料理でも毎日食べ続けると飽きて来ます…って、結婚式のスピーチでそんな事を言っちゃまずいだろ」という様な事が書かれております。
これは手元にある「講談社 日本語大辞典」の巻末のスピーチの例文集にも出ておりまして、元宮内庁侍従長入江相政氏のスピーチからの引用として、
「(前略)本日のメニューを拝見しますと大変な御馳走でございます。(中略)しかし、この御馳走も二度三度続けていたら多分飽きてしまい、きっとお茶漬けがほしくなるでしょう。夫婦とはお茶漬けの味であります。(後略)」
とあります。
これにはまた元ネタがありまして、斉藤緑雨が萬朝報や読売新聞に書いた警語に収められていますが、緑雨酔客が友人の結婚式で行ったスピーチから取った物ですね。まぁ、このスピーチでは「夫婦とは」ではなく「妻とは」お茶漬けであると言ってます。曰く「味醂鰹節は一時也、茶漬は永遠也」と。それこそまずいだろ。
このスピーチは他にも「妻に全きを求むるは夫の非道也、夫をして飢えざらしむれば妻の務めは終れる也」とか、今では考えられない、やはり明治という時代でなければ発せられなかったであろう言葉が満載ですけどね。
「緑雨警語」中野三敏 冨山房百科文庫、面白いですよー。
で、おっさんは結婚を何に譬えるかといえば、「巣」じゃないかと思う訳ですね、これが。
自分の占めるべき場所、帰るべき場所。(ガンダムも、ガンタンクも、ガンキャノンも、それぞれ別個に作戦行動をしても、必ずホワイトベースに帰還する訳ですな。或いは「科学忍者隊ガッチャマン」のゴッドフェニックス、はたまた「サンダーバード」のトレイシー・アイランドと言おうか。)
新婚家庭の事を俗に「愛の巣」なんぞと申しますが、その「巣」にもいつか、雛鳥が口を開けてピーピー言って待つ様になり、やがて雛鳥も巣立つんですね。
そうなるまでにはまだまだ時間がかかるけど。
緑雨酔客の「味醂鰹節は一時也」じゃありませんが、「取りあえず結婚とは『巣』であると言っておけば、今後万一『何か』あったとしても、『巣に帰る鳥が途中の小枝で羽根を休めただけだ』と言い訳できるかな」なんて事は別に考えてませんからね。うん。
2011年9月29日木曜日
話?噺?咄?
時々ブログのアクセス解析をする訳ですが、結構いろんなキーワードでここに辿り着く人がいるんだなぁ、などと思いつつ。
「Sous les Paves,la plage!」とか、「公衆トイレ」とか、「フランス=鶏」とか、「首さすまた」とか。
で、こういうキーワードで実際ググってみたらどんな感じで出て来るのかやってみたりしてたんですが。「お山は火事でございましょう」などと試しにググってみたら…
えぇっ!?「仏蘭西薀蓄堂」一択!?
どういう事だ?「阿弥陀池」って有名なネタだし、結構どこにでも引用されてそうな台詞だと思ってたんだけど、他のブログにしろサイトにしろどこにも書いてないんですか?
こりゃ不思議。って事は他のネタの有名な台詞はどうなんだろうか。早速やってみましたよ。
「秋刀魚は目黒に限る」(目黒の秋刀魚)…さすがにこれは出てきましたね。
「幽霊だけに 足は出しません」(竃幽霊)…これもすぐに出ました。
「今度はお茶が怖い」(饅頭怖い)…そりゃ出るわな。
「角が暗いから提灯を借りに来た」(道灌)…これも出る。
「お袋が首を?あぁ、家にも帰れねぇ」(ろくろっ首)…出るなぁ。
「アカンベーをしてやったんだ」(蒟蒻問答)…子供の頃から好きな噺。出た。
「壁から釘」(粗忽の釘)…Yahoo知恵袋に意味を尋ねてるページでしたが、まあ出た。
「うどん屋、お前も風邪ひいてんのか?」(風邪饂飩)…これ好きだわ…出るし。
「半分は垢でございます」(半分垢)…出たけど…汚い題名&下げだな…
「お前さんも帰っておくれ」(五人廻し)…廓話なんだけど…出たよ。
「へへへ…もう半分」(もう半分)…怪談もちゃんと出るし。
「消えると死ぬぞ」(死神)…これも怪談。出た。
「飯を食うのが『恐惶謹言』なら、酒を呑むのは『依って件の如し』」(たらちね)長い…けど出た。
取りあえず思いつく所をざっとググってみても、ちゃんと(まぁ一応の物も含め)出ますねぇ。
「そこは私の寝床なんです」(寝床)…最初はペットの犬だか猫だかにベッドを占領されたというブログ記事ばっかりでしたが、「落語」と追加して検索したらやっぱり出た。
成程、その手があったか。改めて「落語 お山は火事でございましょう」でググるとやっと出た。
しかし、この噺、「阿弥陀ヶ池」と「阿弥陀が行けと」を引っ掛けた下げよりも、春、暖かくなって、「お山は雪でしょう」という馬鹿の一つ覚えの挨拶が言えなくなって、苦し紛れに「お山は火事でしょう」という、このくだりの方が個人的には面白いんですが。そういうのは少数派なんだろうか。
「壁から釘」や「消えると死ぬぞ」だって下げの言葉じゃないのにちゃんと出るんだけど。
って、夜の夜中に何やってんだか。
「Sous les Paves,la plage!」とか、「公衆トイレ」とか、「フランス=鶏」とか、「首さすまた」とか。
で、こういうキーワードで実際ググってみたらどんな感じで出て来るのかやってみたりしてたんですが。「お山は火事でございましょう」などと試しにググってみたら…
えぇっ!?「仏蘭西薀蓄堂」一択!?
どういう事だ?「阿弥陀池」って有名なネタだし、結構どこにでも引用されてそうな台詞だと思ってたんだけど、他のブログにしろサイトにしろどこにも書いてないんですか?
こりゃ不思議。って事は他のネタの有名な台詞はどうなんだろうか。早速やってみましたよ。
「秋刀魚は目黒に限る」(目黒の秋刀魚)…さすがにこれは出てきましたね。
「幽霊だけに 足は出しません」(竃幽霊)…これもすぐに出ました。
「今度はお茶が怖い」(饅頭怖い)…そりゃ出るわな。
「角が暗いから提灯を借りに来た」(道灌)…これも出る。
「お袋が首を?あぁ、家にも帰れねぇ」(ろくろっ首)…出るなぁ。
「アカンベーをしてやったんだ」(蒟蒻問答)…子供の頃から好きな噺。出た。
「壁から釘」(粗忽の釘)…Yahoo知恵袋に意味を尋ねてるページでしたが、まあ出た。
「うどん屋、お前も風邪ひいてんのか?」(風邪饂飩)…これ好きだわ…出るし。
「半分は垢でございます」(半分垢)…出たけど…汚い題名&下げだな…
「お前さんも帰っておくれ」(五人廻し)…廓話なんだけど…出たよ。
「へへへ…もう半分」(もう半分)…怪談もちゃんと出るし。
「消えると死ぬぞ」(死神)…これも怪談。出た。
「飯を食うのが『恐惶謹言』なら、酒を呑むのは『依って件の如し』」(たらちね)長い…けど出た。
取りあえず思いつく所をざっとググってみても、ちゃんと(まぁ一応の物も含め)出ますねぇ。
「そこは私の寝床なんです」(寝床)…最初はペットの犬だか猫だかにベッドを占領されたというブログ記事ばっかりでしたが、「落語」と追加して検索したらやっぱり出た。
成程、その手があったか。改めて「落語 お山は火事でございましょう」でググるとやっと出た。
しかし、この噺、「阿弥陀ヶ池」と「阿弥陀が行けと」を引っ掛けた下げよりも、春、暖かくなって、「お山は雪でしょう」という馬鹿の一つ覚えの挨拶が言えなくなって、苦し紛れに「お山は火事でしょう」という、このくだりの方が個人的には面白いんですが。そういうのは少数派なんだろうか。
「壁から釘」や「消えると死ぬぞ」だって下げの言葉じゃないのにちゃんと出るんだけど。
って、夜の夜中に何やってんだか。
2011年8月29日月曜日
kyoukagiri.
N-, shigoto tohaie tanoshiku sugosasete moratta chamonix taizaimo kyoukagiri.
Ashita no yoru paris ni kaeru.
Mata ano nichijou ni modoru.
Teka kaettara sokkou sentaku desu.
洗濯の事は置いといて、本日はエギーユ・デュ・ミディです。
「南を指す針」という意味ですね。町の教会の中庭から見ると、この峰が真南なんだそうで、南を指す指針の山です。
町外れの、ロープウェイ乗り場。
ここから見上げるだけで「うぇー、これ登んのかよー」という感じです。
傾斜はかなりきつい。先日のブレヴァンもそうでしたが、一度に登りきれる様な角度じゃないって事でしょうか、ロープウェイ乗り換え。
で、上の画像のロープウェイの奥に見えてる山の天辺に、こんな物があるんですが…見えますか?拡大図。
そしてその頂上の「針」の展望台には3842メートルの標識。って事はここは富士山頂より高い所なんですねぇ。高山病になる人とかいないんだろうか。確かに観光パンフレットには小さい子供とかは駄目とは書いてあったけど。
シャモニーの町がこんな風に見下ろせる訳です。この画像に写ってる展望台から見ただけでもすごかったけど、更にもう一段上から。
これだけでも腰が引けるんですけど。でもここから更に上を目指す人達もいまして。ここはモンブラン山頂アタックの出発点でもあるのですね。しかし、誰か一人足を滑らせたら一蓮托生ですねぇ。
こんな世に言う「跨いで超える様な」狭い道(?)から雪原へ。この辺になると、展望台からは、人間は豆粒位にしか見えません。
そして画面中央やや上の、屏風岩の切れ目みたいな所を抜けてその右上の山頂へ。
さてモンブランはフランスとイタリアに跨ってますが、モンブラン山頂はどっちに属するでしょうか?どっちも自分の国だと主張してます。
モンブランを挟んでフランス側にシャモニー、イタリア側にクールマユールがあり、1796年に「お互いそこから目視できる所まで領土としよう」と取り決められたそうですが、実はこれ、フランス側の陰謀だった様で、イタリア側クールマユールからは、他の山に遮られてモンブラン山頂は見えないのですね。
で、現在では一応「モンブラン山頂を国境とする」1861年の取り決めがそのまま引き継がれているものの、フランス・イタリア共、自分の国で発行する地図では山頂よりも少し先の所に国境線が引かれているとか。
第二次世界大戦後、両国が国境について再検討する機会もあった様ですが、お互いモンブランについては触れようとせず、今までの習慣による国境線が「仮」採用されたままになってるそうです。
大人の対応というべきか、後に争いの種を残したというべきか。
Ashita no yoru paris ni kaeru.
Mata ano nichijou ni modoru.
Teka kaettara sokkou sentaku desu.
洗濯の事は置いといて、本日はエギーユ・デュ・ミディです。
「南を指す針」という意味ですね。町の教会の中庭から見ると、この峰が真南なんだそうで、南を指す指針の山です。
町外れの、ロープウェイ乗り場。
ここから見上げるだけで「うぇー、これ登んのかよー」という感じです。
傾斜はかなりきつい。先日のブレヴァンもそうでしたが、一度に登りきれる様な角度じゃないって事でしょうか、ロープウェイ乗り換え。
で、上の画像のロープウェイの奥に見えてる山の天辺に、こんな物があるんですが…見えますか?拡大図。
そしてその頂上の「針」の展望台には3842メートルの標識。って事はここは富士山頂より高い所なんですねぇ。高山病になる人とかいないんだろうか。確かに観光パンフレットには小さい子供とかは駄目とは書いてあったけど。
シャモニーの町がこんな風に見下ろせる訳です。この画像に写ってる展望台から見ただけでもすごかったけど、更にもう一段上から。
これだけでも腰が引けるんですけど。でもここから更に上を目指す人達もいまして。ここはモンブラン山頂アタックの出発点でもあるのですね。しかし、誰か一人足を滑らせたら一蓮托生ですねぇ。
こんな世に言う「跨いで超える様な」狭い道(?)から雪原へ。この辺になると、展望台からは、人間は豆粒位にしか見えません。
そして画面中央やや上の、屏風岩の切れ目みたいな所を抜けてその右上の山頂へ。
さてモンブランはフランスとイタリアに跨ってますが、モンブラン山頂はどっちに属するでしょうか?どっちも自分の国だと主張してます。
モンブランを挟んでフランス側にシャモニー、イタリア側にクールマユールがあり、1796年に「お互いそこから目視できる所まで領土としよう」と取り決められたそうですが、実はこれ、フランス側の陰謀だった様で、イタリア側クールマユールからは、他の山に遮られてモンブラン山頂は見えないのですね。
で、現在では一応「モンブラン山頂を国境とする」1861年の取り決めがそのまま引き継がれているものの、フランス・イタリア共、自分の国で発行する地図では山頂よりも少し先の所に国境線が引かれているとか。
第二次世界大戦後、両国が国境について再検討する機会もあった様ですが、お互いモンブランについては触れようとせず、今までの習慣による国境線が「仮」採用されたままになってるそうです。
大人の対応というべきか、後に争いの種を残したというべきか。
2011年8月27日土曜日
Nante kottai
Hiyake shite, hitai no haegiwa no koutai shita bubun dake kawa ga muketa. Hokano tokoro ha nantomonai.
Kakkowari-
Hageagatta tokorotte,soremade kaminoke de hogo sareteta bun dake hifu ga yawa nandarouka.
生え際後退の話なんか誰も読みたくないか。フン。
じゃあ時間を「後退」して、このシャモニーがあるサヴォワ地方の歴史でも見てみましょうか。
西ヨーロッパの形成の大きなきっかけとなったのは紀元前500年頃のケルト人の侵入でした。ケルト人は当時既に鉄の武器を持ち、勇猛で、乗馬も巧みだったので、先住民族を制圧してどんどんヨーロッパに侵入し、やがて先住民族と混血してガリア地方、ガリア民族を形成します。
そこへまた、シーザー率いるローマ軍が攻めて来て、紀元前52年、ガリアはローマの属領となります。パリ南部の「アレジア」の地名は、ガリア人のリーダーのウェルキンゲトリクスがとうとうローマの軍門に下る事になった最後の包囲戦があった所の地名に因んでます。
ここでラテン系が入って来ましたねぇ。
で、このガリア・ローマに更に4世紀、ゲルマン民族が侵入します。ゲルマン民族の中でも最大・最強となったフランク族が建国したのがフランク王国で、これが分裂してフランス・ドイツ・北イタリアの素になるんですが。
このフランク王国程ではないにしろ、他にもランゴバルド(北イタリアの「ロンバルディア」の地名の由来です)族やブルグンド族がいた訳ですが、サヴォワ地方はこのブルグンド王国に属していました。
ブルグンド王国は結局フランクに滅ぼされ、サヴォワはフランク領になります。
フランク王国の分裂を経て、サヴォワは神聖ローマ帝国(東フランク王国由来のドイツの素…とでも言えばいいのかな)領となりました。
この頃、王国領の端っこの方、特に異民族と国境を接する辺りは「辺境伯」と呼ばれる地方官(?)が治めたのですね。「辺境伯」はそのリスクの大きさ故に、普通の「伯」よりも大きな権限と広い領地を与えられました。普通の「伯(Graf)」に対して「辺境伯」は「Markgraf」として一段上の扱いを受けたのですね。この「マルクグラーフ(Markgraf)」の英語読みが「マルグレーヴ」で、萩尾望都さんの「マージナル」なんぞお読みになった方はご存知かと。
サヴォワ辺境伯家は初代ウンベルト一世に始まるとされ、「サヴォワ伯国」時代を経て1416年、アメデオ八世の時代より「サヴォワ公国」となります。
1701年に起こったスペイン継承戦争、それに伴って起こったアメリカのアン女王戦争の結果、ユトレヒト条約でシチリア島を手に入れたサヴォワ公国は、1720年、シチリアを手放す代わりに今度はシチリアの隣のサルデーニャ島を入手、サヴォワ、サルデーニャ、北西イタリアのピエモンテ、ニースを主要な領地とする「サルデーニャ王国」となりました。
サルデーニャ王国の都はピエモンテ地方のトリノで、トリノの「サヴォワ王家の宮殿」は世界遺産ですね。
このサルデーニャ王国が後のイタリア統一の立役者となる訳ですが、このイタリア統一に当たって、フランスの支持を取り付ける為にサルデーニャはサヴォワとニースをフランスに割譲したのですね。「プロンビエールの密約」という奴です。
やれやれ、やっとサヴォワがフランス領になる所まで来ましたね。
現在のサヴォワ地方は、登山やスキー、トレッキング、パラパントといったスポーツ、グリュイエールやトム、ボーフォールやルブロッションといったチーズや、エヴィアン、トノンといったミネラルウォーター、鉱泉、観光、カジノが有名です。
農業も盛んですよ。シャモニーの朝市。
ソーセージやハムなんかも一杯です。
そしてまたこれがすごい。ヌガーですねぇ。
「ヌガーって何ですか?」なんてよく聞かれるんですけど。日本語でもヌガーですね。
水飴、卵白、ナッツなんかを煮込んで練り固めた、言わばキャラメルの親戚みたいなお菓子ですが。
こんな巨大なヌガーは初めて見ました。普通はそれこそキャラメル位の大きさのものとか、せいぜい板チョコ位なんですけどね。この巨大な塊を見た時はチーズかと思ったんですけど。
ここのおじさんの手作りで、着色料・添加物一切無しだとか。でも半年くらいもつそうです。
パリの朝市ではこんなの見た事無いですね…パリはパリで好きですけど、地方ってやっぱり楽しい。
Kakkowari-
Hageagatta tokorotte,soremade kaminoke de hogo sareteta bun dake hifu ga yawa nandarouka.
生え際後退の話なんか誰も読みたくないか。フン。
じゃあ時間を「後退」して、このシャモニーがあるサヴォワ地方の歴史でも見てみましょうか。
西ヨーロッパの形成の大きなきっかけとなったのは紀元前500年頃のケルト人の侵入でした。ケルト人は当時既に鉄の武器を持ち、勇猛で、乗馬も巧みだったので、先住民族を制圧してどんどんヨーロッパに侵入し、やがて先住民族と混血してガリア地方、ガリア民族を形成します。
そこへまた、シーザー率いるローマ軍が攻めて来て、紀元前52年、ガリアはローマの属領となります。パリ南部の「アレジア」の地名は、ガリア人のリーダーのウェルキンゲトリクスがとうとうローマの軍門に下る事になった最後の包囲戦があった所の地名に因んでます。
ここでラテン系が入って来ましたねぇ。
で、このガリア・ローマに更に4世紀、ゲルマン民族が侵入します。ゲルマン民族の中でも最大・最強となったフランク族が建国したのがフランク王国で、これが分裂してフランス・ドイツ・北イタリアの素になるんですが。
このフランク王国程ではないにしろ、他にもランゴバルド(北イタリアの「ロンバルディア」の地名の由来です)族やブルグンド族がいた訳ですが、サヴォワ地方はこのブルグンド王国に属していました。
ブルグンド王国は結局フランクに滅ぼされ、サヴォワはフランク領になります。
フランク王国の分裂を経て、サヴォワは神聖ローマ帝国(東フランク王国由来のドイツの素…とでも言えばいいのかな)領となりました。
この頃、王国領の端っこの方、特に異民族と国境を接する辺りは「辺境伯」と呼ばれる地方官(?)が治めたのですね。「辺境伯」はそのリスクの大きさ故に、普通の「伯」よりも大きな権限と広い領地を与えられました。普通の「伯(Graf)」に対して「辺境伯」は「Markgraf」として一段上の扱いを受けたのですね。この「マルクグラーフ(Markgraf)」の英語読みが「マルグレーヴ」で、萩尾望都さんの「マージナル」なんぞお読みになった方はご存知かと。
サヴォワ辺境伯家は初代ウンベルト一世に始まるとされ、「サヴォワ伯国」時代を経て1416年、アメデオ八世の時代より「サヴォワ公国」となります。
1701年に起こったスペイン継承戦争、それに伴って起こったアメリカのアン女王戦争の結果、ユトレヒト条約でシチリア島を手に入れたサヴォワ公国は、1720年、シチリアを手放す代わりに今度はシチリアの隣のサルデーニャ島を入手、サヴォワ、サルデーニャ、北西イタリアのピエモンテ、ニースを主要な領地とする「サルデーニャ王国」となりました。
サルデーニャ王国の都はピエモンテ地方のトリノで、トリノの「サヴォワ王家の宮殿」は世界遺産ですね。
このサルデーニャ王国が後のイタリア統一の立役者となる訳ですが、このイタリア統一に当たって、フランスの支持を取り付ける為にサルデーニャはサヴォワとニースをフランスに割譲したのですね。「プロンビエールの密約」という奴です。
やれやれ、やっとサヴォワがフランス領になる所まで来ましたね。
現在のサヴォワ地方は、登山やスキー、トレッキング、パラパントといったスポーツ、グリュイエールやトム、ボーフォールやルブロッションといったチーズや、エヴィアン、トノンといったミネラルウォーター、鉱泉、観光、カジノが有名です。
農業も盛んですよ。シャモニーの朝市。
ソーセージやハムなんかも一杯です。
そしてまたこれがすごい。ヌガーですねぇ。
「ヌガーって何ですか?」なんてよく聞かれるんですけど。日本語でもヌガーですね。
水飴、卵白、ナッツなんかを煮込んで練り固めた、言わばキャラメルの親戚みたいなお菓子ですが。
こんな巨大なヌガーは初めて見ました。普通はそれこそキャラメル位の大きさのものとか、せいぜい板チョコ位なんですけどね。この巨大な塊を見た時はチーズかと思ったんですけど。
ここのおじさんの手作りで、着色料・添加物一切無しだとか。でも半年くらいもつそうです。
パリの朝市ではこんなの見た事無いですね…パリはパリで好きですけど、地方ってやっぱり楽しい。
2011年8月26日金曜日
Ki wo tsukeneba.
Konnani mainichi shikamo hirumakara beer bakkari nonderunotte hyottoshite umarete hajimeteja nakarouka.
Fudan beer nante hotondo nomanaikedo, doumo taisei ga dekite kita rashii.
まぁ、別に飲んでるだけじゃないんですけどね。いろいろ、ちゃんと見て歩いてますよ。
こんなのもありました。何の事は無い、街の標識なんですが。
7/26にも書きましたが、日本では、施設名や地名に人の名前はあまり付けませんね。こっちでは普通なんですが。で、この標識の何が面白いかというと、その人の職業です。ミッシェル・クロッツさんはガイドさんです。
こういう人の名前のついた通りは数あれど、大抵はナントカ大統領、ナントカ将軍、ナントカ博士通りが多いんですが、さすが登山家の聖地シャモニー、山岳ガイドさんの名前が通りの名前になってる訳ですね。
ここにはスキーやトレッキングの人達もよく来ます。
今の季節なら5時過ぎに明るくなって来て、
6時前には朝焼け(?)
山から朝日が昇るのは8時半頃。
山に行く人達は、こんな時間からもう準備したり、ホテルを出たり、行動開始してるんでしょうね。モンブラン登頂の登山道へ向かうロープウェイは7時半頃から動いてます。
そしてまた、ここシャモニーはフランス東部、スイスに近い所で、ジュネーヴまで車で1時間ちょっと、そしてグルノーブルまで1時間半か2時間位でしょうか。グルノーブル近くのグランド・シャルトリューズ修道院で造られるのがリキュール「シャルトリューズ」ですなぁ。
シャルトリューズに関しては7/9の記事をご参照頂くとして。
やっぱり「ベネディクト派」の、「ノルマンディー地方」のリキュール「ベネディクティン」はこの辺のお土産物屋さんには売ってませんね。そりゃそうだ。
やっぱりそこに帰って来るかって?まぁ、硬い事言わんと。ねぇ。
Fudan beer nante hotondo nomanaikedo, doumo taisei ga dekite kita rashii.
まぁ、別に飲んでるだけじゃないんですけどね。いろいろ、ちゃんと見て歩いてますよ。
こんなのもありました。何の事は無い、街の標識なんですが。
7/26にも書きましたが、日本では、施設名や地名に人の名前はあまり付けませんね。こっちでは普通なんですが。で、この標識の何が面白いかというと、その人の職業です。ミッシェル・クロッツさんはガイドさんです。
こういう人の名前のついた通りは数あれど、大抵はナントカ大統領、ナントカ将軍、ナントカ博士通りが多いんですが、さすが登山家の聖地シャモニー、山岳ガイドさんの名前が通りの名前になってる訳ですね。
ここにはスキーやトレッキングの人達もよく来ます。
今の季節なら5時過ぎに明るくなって来て、
6時前には朝焼け(?)
山から朝日が昇るのは8時半頃。
山に行く人達は、こんな時間からもう準備したり、ホテルを出たり、行動開始してるんでしょうね。モンブラン登頂の登山道へ向かうロープウェイは7時半頃から動いてます。
そしてまた、ここシャモニーはフランス東部、スイスに近い所で、ジュネーヴまで車で1時間ちょっと、そしてグルノーブルまで1時間半か2時間位でしょうか。グルノーブル近くのグランド・シャルトリューズ修道院で造られるのがリキュール「シャルトリューズ」ですなぁ。
シャルトリューズに関しては7/9の記事をご参照頂くとして。
やっぱり「ベネディクト派」の、「ノルマンディー地方」のリキュール「ベネディクティン」はこの辺のお土産物屋さんには売ってませんね。そりゃそうだ。
やっぱりそこに帰って来るかって?まぁ、硬い事言わんと。ねぇ。
2011年4月30日土曜日
♪映画を見るなら~フランス映画さぁ~♪
古いなぁ。知ってます?この曲。文化祭バンドでやりましたよ。それも何故かキーボードで。
先日「鉄砲玉の美学」の事を書いたら、なんとなくATGについて書きたくなりまして。ATG(アート・シアター・ギルド)というのも面白い会社でしたね。最初は外国映画の配給。それも、商業的にはそれほどでもないが、芸術性の高い映画を配給してましたね。ATGでフェリーニやワイダ、ゴダールに出会ったという人も多いんじゃないでしょうか。
1960年代後半にはテレビがかなり普及して来ます。1959年の皇太子明仁親王(当時)と美智子皇太子妃殿下(当時)の結婚パレードを機にテレビの普及が進んだのだとか。序でに言うと、翌60年の浩宮徳仁親王(当時)の誕生で、この前後の生まれの人は「浩」の字を使った名前の人が多いそうですね。その好例が身内にいますし。
それはさておき、テレビが普及すれば映画業界が厳しくなって来るのは当然の理。芸術映画よりも、観客動員が期待できる娯楽作品にウェイトがかかって来ます。それでも芸術映画を作りたい監督は、独立プロを作って製作する訳ですが、ATGは芸術映画を目指すこういう監督達を支援します。大島渚なんかこの頃ATGで製作してますね。他にも寺山修二、実相寺昭雄、吉田 喜重、唐十郎、市川崑…
それでもやはり映画が売れないと会社が立ち行かなくなる訳で、80年代以降は若手監督を起用した娯楽映画が増えて行くのですね。
この頃のATG映画は東陽一「サード」「もう頬杖はつかない」、大森一樹「ヒポクラテスたち」、鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」、岡本喜八「近頃なぜかチャールストン」、森田芳光「家族ゲーム」、そして新藤兼人「墨東綺譚」、いやぁ、いろんな人が撮ってますねぇ。
で、ATGの事を書いてたら、やっぱり「にっかつロマンポルノ」が浮かんで来た訳ですよ、これが。にっかつロマンポルノというのも、コンセプトそのものが面白いですね。
おっさんにとってはやっぱり日活といえば「太陽族」、なんですが。(中学生の頃の、「高校大パニック」も非常に印象に残ってますが。数学できんのが何で悪いとよ!)裕次郎デビューのきっかけも面白いですよね。スタッフとして参加してたのに役者が足りないからと駆り出され、そして国民的スターへ。他にも小林旭、長門裕之 、南田洋子 、岡田眞澄、 津川雅彦 …でもやはり60年代後半から苦しくなって行きます。
そして、日活改め「にっかつ」のロマンポルノ路線が始まる訳ですね。しかし、このにっかつロマンポルノが、今の若い女の子に結構人気があるというのも分かる様な気がします。ポルノと言ったって大したエロさじゃないですから、せいぜいちょっとエッチっぽい、という程度で、女の子でも抵抗無く見られるんでしょう。「エロかわ」程度のモンですもんね。イマドキの一般映画のちょっと過激なエロシーンの方がよっぽどすごいんじゃないでしょうか。
低予算で観客動員が見込める映画というのは後期のATGと同じコンセプトですが、このロマンポルノというのは製作の自由度が途轍もなく高い所に特徴がありました。なんせ、裸さえ出て来ればあとは何でもアリ、「団地妻」シリーズから、「大奥」シリーズをはじめとする時代物、学園もの、修道院もの、刑事もの、ソープ(当時はそう呼んでませんでしたが)もの。団鬼六先生と宇能鴻一郎先生はもう別格でしょうけれど。名作「花と蛇」はいまだにリメイクされてますしね。
とにかく10分だか15分だかごとに裸、エロシーンがあれば、あとは制作費さえあまりかけなければ、監督の自由裁量がかなり通った様ですね。そして、ロマンポルノ出身、またはロマンポルノを撮っていた中には「青春の蹉跌」の神代 辰巳、「あぶない刑事」「刑事貴族」の長谷部安春、「ミナミの帝王」の西村 昭五郎、「ダイアモンドは傷つかない」「スローなブギにしてくれ」の藤田敏八なんて人達がいた訳ですもんね。
ところで。ここまで書いておいて何ですが、おっさんはこのロマンポルノって、ちゃんと見た事は一度もありません。有名な作品は当然知ってますが。
いや、別におっさんは聖人君子じゃありません。きっちり俗物です。なんせ脳内メーカーをやったら頭の中の半分カネで半分オンナだったという筋金入りの俗物です。「あれは見るもんじゃない、やるもんだ」とはエーベルバッハ少佐の台詞ですが(「エロイカ」を知らない方、ごめんなさい)。基本ケチであるおっさんは、エロ映画になんかカネは使いません。女の子を口説くのにカネを使うのならともかく。って、そういう事も結婚してからはしてませんからね。念の為。
マズイ方向へは深入りしない事にして、と。フランス映画に目を転じると、(かなり強引な方向転換に見えるんですが。)う~ん、やっぱり「過去の栄光」的な感じは否めませんねぇ。フランスでも、やっぱり流行るのはハリウッド映画だったりする訳です。最近フランス映画で成功したのって…せいぜい「アメリー」位しか思い浮かばないんですけど、他にありましたっけ?フランス人はアメリカ文化が嫌いで云々とよく言われますけど、そうでもないですよ。
ゴダールやトリュフォーからもう50年です。大学生の頃、「勝手にしやがれ」がアメリカでリメイクされる(「ブレスレス」リチャード・ギアです)から、ベルモンド版がもう見られなくなるかも知れないというんで授業サボって見に行きました。「アメリカン・ジゴロ」のセックスシンボル・リチャード・ギアも今や「約束の犬」の教授役ですもんね。
フランス人と日本映画の事を話すと、大抵出て来るのは小津・溝口・成瀬です。まぁ世界のクロサワは別格としても。たけしとか。今の日本の若い方の中には、「オヅ?ナルセ??ミゾグチ???」という方も多いですから、まぁ、似たようなモンか。
ところで、ロマンポルノの復活に続いて、「ATGリターンズ」とは行きませんかね。
先日「鉄砲玉の美学」の事を書いたら、なんとなくATGについて書きたくなりまして。ATG(アート・シアター・ギルド)というのも面白い会社でしたね。最初は外国映画の配給。それも、商業的にはそれほどでもないが、芸術性の高い映画を配給してましたね。ATGでフェリーニやワイダ、ゴダールに出会ったという人も多いんじゃないでしょうか。
1960年代後半にはテレビがかなり普及して来ます。1959年の皇太子明仁親王(当時)と美智子皇太子妃殿下(当時)の結婚パレードを機にテレビの普及が進んだのだとか。序でに言うと、翌60年の浩宮徳仁親王(当時)の誕生で、この前後の生まれの人は「浩」の字を使った名前の人が多いそうですね。その好例が身内にいますし。
それはさておき、テレビが普及すれば映画業界が厳しくなって来るのは当然の理。芸術映画よりも、観客動員が期待できる娯楽作品にウェイトがかかって来ます。それでも芸術映画を作りたい監督は、独立プロを作って製作する訳ですが、ATGは芸術映画を目指すこういう監督達を支援します。大島渚なんかこの頃ATGで製作してますね。他にも寺山修二、実相寺昭雄、吉田 喜重、唐十郎、市川崑…
それでもやはり映画が売れないと会社が立ち行かなくなる訳で、80年代以降は若手監督を起用した娯楽映画が増えて行くのですね。
この頃のATG映画は東陽一「サード」「もう頬杖はつかない」、大森一樹「ヒポクラテスたち」、鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」、岡本喜八「近頃なぜかチャールストン」、森田芳光「家族ゲーム」、そして新藤兼人「墨東綺譚」、いやぁ、いろんな人が撮ってますねぇ。
で、ATGの事を書いてたら、やっぱり「にっかつロマンポルノ」が浮かんで来た訳ですよ、これが。にっかつロマンポルノというのも、コンセプトそのものが面白いですね。
おっさんにとってはやっぱり日活といえば「太陽族」、なんですが。(中学生の頃の、「高校大パニック」も非常に印象に残ってますが。数学できんのが何で悪いとよ!)裕次郎デビューのきっかけも面白いですよね。スタッフとして参加してたのに役者が足りないからと駆り出され、そして国民的スターへ。他にも小林旭、長門裕之 、南田洋子 、岡田眞澄、 津川雅彦 …でもやはり60年代後半から苦しくなって行きます。
そして、日活改め「にっかつ」のロマンポルノ路線が始まる訳ですね。しかし、このにっかつロマンポルノが、今の若い女の子に結構人気があるというのも分かる様な気がします。ポルノと言ったって大したエロさじゃないですから、せいぜいちょっとエッチっぽい、という程度で、女の子でも抵抗無く見られるんでしょう。「エロかわ」程度のモンですもんね。イマドキの一般映画のちょっと過激なエロシーンの方がよっぽどすごいんじゃないでしょうか。
低予算で観客動員が見込める映画というのは後期のATGと同じコンセプトですが、このロマンポルノというのは製作の自由度が途轍もなく高い所に特徴がありました。なんせ、裸さえ出て来ればあとは何でもアリ、「団地妻」シリーズから、「大奥」シリーズをはじめとする時代物、学園もの、修道院もの、刑事もの、ソープ(当時はそう呼んでませんでしたが)もの。団鬼六先生と宇能鴻一郎先生はもう別格でしょうけれど。名作「花と蛇」はいまだにリメイクされてますしね。
とにかく10分だか15分だかごとに裸、エロシーンがあれば、あとは制作費さえあまりかけなければ、監督の自由裁量がかなり通った様ですね。そして、ロマンポルノ出身、またはロマンポルノを撮っていた中には「青春の蹉跌」の神代 辰巳、「あぶない刑事」「刑事貴族」の長谷部安春、「ミナミの帝王」の西村 昭五郎、「ダイアモンドは傷つかない」「スローなブギにしてくれ」の藤田敏八なんて人達がいた訳ですもんね。
ところで。ここまで書いておいて何ですが、おっさんはこのロマンポルノって、ちゃんと見た事は一度もありません。有名な作品は当然知ってますが。
いや、別におっさんは聖人君子じゃありません。きっちり俗物です。なんせ脳内メーカーをやったら頭の中の半分カネで半分オンナだったという筋金入りの俗物です。「あれは見るもんじゃない、やるもんだ」とはエーベルバッハ少佐の台詞ですが(「エロイカ」を知らない方、ごめんなさい)。基本ケチであるおっさんは、エロ映画になんかカネは使いません。女の子を口説くのにカネを使うのならともかく。って、そういう事も結婚してからはしてませんからね。念の為。
マズイ方向へは深入りしない事にして、と。フランス映画に目を転じると、(かなり強引な方向転換に見えるんですが。)う~ん、やっぱり「過去の栄光」的な感じは否めませんねぇ。フランスでも、やっぱり流行るのはハリウッド映画だったりする訳です。最近フランス映画で成功したのって…せいぜい「アメリー」位しか思い浮かばないんですけど、他にありましたっけ?フランス人はアメリカ文化が嫌いで云々とよく言われますけど、そうでもないですよ。
ゴダールやトリュフォーからもう50年です。大学生の頃、「勝手にしやがれ」がアメリカでリメイクされる(「ブレスレス」リチャード・ギアです)から、ベルモンド版がもう見られなくなるかも知れないというんで授業サボって見に行きました。「アメリカン・ジゴロ」のセックスシンボル・リチャード・ギアも今や「約束の犬」の教授役ですもんね。
フランス人と日本映画の事を話すと、大抵出て来るのは小津・溝口・成瀬です。まぁ世界のクロサワは別格としても。たけしとか。今の日本の若い方の中には、「オヅ?ナルセ??ミゾグチ???」という方も多いですから、まぁ、似たようなモンか。
ところで、ロマンポルノの復活に続いて、「ATGリターンズ」とは行きませんかね。
2011年3月26日土曜日
近頃都に流行るもの。
パリの地下鉄で、日本語のアナウンスが流れてました。まぁ、別に日本語だけでなく、英語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、色々ある中に「日本語もある」という感じですが。
曰く、
「スリに狙われない様、お持ちのバッグは必ず閉め、貴重品の管理には充分ご注意下さい」
このアナウンスは結構前から流れていましたが、今度は新バージョンが出まして、
「公共の場所での携帯電話やデジタルオーディオ機器の使用には充分ご注意下さい」
だそうです。で、バスの中にも貼紙がありました。ここにも日本語で書いてあります。
iphoneやipodは狙われる様です。グーグルマップやナビ機能を使ってる方、時計代わりに携帯を見る方、多いですよね。ご注意を。
日本も最近結構物騒になったとはいえ、こういう盗難はまだまだ少ない方です。大体が、その辺に忘れ物をして、しばらく経ってから気づいて取りに行ったらまだそこにある、とか、ビュッフェ形式のレストランで場所取りに荷物を置いてそのまま席を立っても大丈夫な国は世界中にそうたくさんはありませんよ。
単純なスリ、置き引き、引ったくりに関しては気をつければほとんど防げます。ショルダーバッグはたすきがけにするとか、(置き引き、引ったくり対策)そのたすきがけのバッグをおなかの所に持って、開く部分(ファスナーとか蓋(?)とか)に手をかけて押さえるとか(スリ対策)。その程度の事でたいてい防げます、と言ったら、日本の方が、「そこまでしなきゃいけないほど危ないんですか?」と聞いて来ました。見解の相違ですねぇ。
まぁ、確かに本当のプロもいる訳で、ポシェットをたすきがけにして、おなかの方に持って、その上からコートを着て、ボタンもかけ、ベルトも締め、それでも掏られた人の話を聞いた時は凄いと思いましたけど。
こういう盗難の他にも、ドロボーさん達は色々な手口を編み出してる様です。
「ジャパニーズ?オー、ナカタ!」とか言ってサッカーの真似を始められ、足を絡められてごちゃごちゃされてる間に掏られたとか、これの「ジュードー!」バージョンもありましたね。
良い機嫌の酔っ払い(演技でしょうね)に握手を求められ、腕時計を掏られたとか。
偽刑事の話なんかは日本のガイドブックなんかでも紹介されて結構有名になりましたよね。道端でいきなり「ポリス!ポリス!」と話しかけて来て、身分証明書、パスポートを見せろとか、「麻薬取引の警戒中だ、現金を持ってるなら見せなさい」とか。普通に考えればありえない事と分かる筈ですが、外国で、しかもいきなり警察に呼び止められたと思うと、パニックになって従ってしまうんでしょうかね。先日これをやられてる最中の日本人旅行者がいて、パリ在住の日本人の方が気づいて、偽刑事を追い払ったんですが、助けられた方の旅行者さんはキョトンとして、「え、でも今の人は警官ですよ?」いや、だから偽物だ、と説明してもあくまでも納得できない様子、「でもやっぱり本物だったんじゃ?」とか言ってたとか。どこまでも善良なんですね。本物の警官ならこそこそ退散したりしませんって。
最近あるのは「指輪」の話でしょうかね。道を歩いていると隣で誰かがいきなりしゃがみこみ、指輪を拾い上げたフリをして、「これ、今、落としませんでしたか?」「いや、落としてないけど」「ふーん、ま、でも落ちてたんだし、貰っちゃえば?」とか何とか、押し付けられてしまい、後から仲間が出て来て、「私の指輪なんだ、買ってくれ(金を出せ)」とかね。おっさんも実物に会った事がありますが。くれても要らない様な変な指輪でしたけどね。
盗難と言うより寄付金詐欺?街頭署名運動の様な感じで(しかも囲まれて)「署名お願いします」何だか分からないままサインさせられてしまうと、今度は「署名したんだから寄付金を出せ」とか。
これも実物に会った事がありますが、新(珍)商売?です。凱旋門近くで、道端に停めた車から、「すみません、私はイタリアのデザイナーですが」と声をかけられ、「実はパリのデパートでプレゼンテーションして、イタリアに帰るガソリン代が足りないので、安くしとくからプレゼンに使った商品を買ってくれませんか」との事。取り出したのは皮ジャン…風の安物のビニールジャンパー。皮だかビニールだか見分けがつかない様に夕暮れの薄暗い時間にやってる様ですが。まぁ、これなんかはある意味ユーモラスというか、パフォーマンスというか、高級革製と謳ってビニールジャンパーを売ったら詐欺でしょうけど、そうは言わないで、あくまでも皮と錯覚させて売りつけるところがミソなんでしょうね。
いろんな事を考えるもんですねぇ、しかし。
こんな事ばっかり読まされたら、嫌になっちゃうかも知れませんけど。
繰り返しますけど、盗難は気をつけていればほとんど防げます。変なのが馴れ馴れしく寄って来たら取り合わないでその場を離れる事です。
勿論、フランスは警戒しなきゃいけないだけの変な国ではありませんよ。それ以上に魅力のある国ですよ。おっさんも20年以上住んでますけど、まだまだ行って見たい所、見てみたい美術館や博物館、山程あります。
警戒するあまりに海外旅行を楽しめないなんてのは本末転倒です。フランスに限らず、海外旅行に出たら、その土地の面白い物、珍しい物、大いに楽しんで下さい。只、頭の片隅にちょっとだけ、「ここは日本とは違う」と言うことだけ、覚えておけば良いんです。
リラックスして旅行は楽しみながら、心のどこかでは常に緊張を保つ。確かに難しい注文ではありますが。
曰く、
「スリに狙われない様、お持ちのバッグは必ず閉め、貴重品の管理には充分ご注意下さい」
このアナウンスは結構前から流れていましたが、今度は新バージョンが出まして、
「公共の場所での携帯電話やデジタルオーディオ機器の使用には充分ご注意下さい」
だそうです。で、バスの中にも貼紙がありました。ここにも日本語で書いてあります。
iphoneやipodは狙われる様です。グーグルマップやナビ機能を使ってる方、時計代わりに携帯を見る方、多いですよね。ご注意を。
日本も最近結構物騒になったとはいえ、こういう盗難はまだまだ少ない方です。大体が、その辺に忘れ物をして、しばらく経ってから気づいて取りに行ったらまだそこにある、とか、ビュッフェ形式のレストランで場所取りに荷物を置いてそのまま席を立っても大丈夫な国は世界中にそうたくさんはありませんよ。
単純なスリ、置き引き、引ったくりに関しては気をつければほとんど防げます。ショルダーバッグはたすきがけにするとか、(置き引き、引ったくり対策)そのたすきがけのバッグをおなかの所に持って、開く部分(ファスナーとか蓋(?)とか)に手をかけて押さえるとか(スリ対策)。その程度の事でたいてい防げます、と言ったら、日本の方が、「そこまでしなきゃいけないほど危ないんですか?」と聞いて来ました。見解の相違ですねぇ。
まぁ、確かに本当のプロもいる訳で、ポシェットをたすきがけにして、おなかの方に持って、その上からコートを着て、ボタンもかけ、ベルトも締め、それでも掏られた人の話を聞いた時は凄いと思いましたけど。
こういう盗難の他にも、ドロボーさん達は色々な手口を編み出してる様です。
「ジャパニーズ?オー、ナカタ!」とか言ってサッカーの真似を始められ、足を絡められてごちゃごちゃされてる間に掏られたとか、これの「ジュードー!」バージョンもありましたね。
良い機嫌の酔っ払い(演技でしょうね)に握手を求められ、腕時計を掏られたとか。
偽刑事の話なんかは日本のガイドブックなんかでも紹介されて結構有名になりましたよね。道端でいきなり「ポリス!ポリス!」と話しかけて来て、身分証明書、パスポートを見せろとか、「麻薬取引の警戒中だ、現金を持ってるなら見せなさい」とか。普通に考えればありえない事と分かる筈ですが、外国で、しかもいきなり警察に呼び止められたと思うと、パニックになって従ってしまうんでしょうかね。先日これをやられてる最中の日本人旅行者がいて、パリ在住の日本人の方が気づいて、偽刑事を追い払ったんですが、助けられた方の旅行者さんはキョトンとして、「え、でも今の人は警官ですよ?」いや、だから偽物だ、と説明してもあくまでも納得できない様子、「でもやっぱり本物だったんじゃ?」とか言ってたとか。どこまでも善良なんですね。本物の警官ならこそこそ退散したりしませんって。
最近あるのは「指輪」の話でしょうかね。道を歩いていると隣で誰かがいきなりしゃがみこみ、指輪を拾い上げたフリをして、「これ、今、落としませんでしたか?」「いや、落としてないけど」「ふーん、ま、でも落ちてたんだし、貰っちゃえば?」とか何とか、押し付けられてしまい、後から仲間が出て来て、「私の指輪なんだ、買ってくれ(金を出せ)」とかね。おっさんも実物に会った事がありますが。くれても要らない様な変な指輪でしたけどね。
盗難と言うより寄付金詐欺?街頭署名運動の様な感じで(しかも囲まれて)「署名お願いします」何だか分からないままサインさせられてしまうと、今度は「署名したんだから寄付金を出せ」とか。
これも実物に会った事がありますが、新(珍)商売?です。凱旋門近くで、道端に停めた車から、「すみません、私はイタリアのデザイナーですが」と声をかけられ、「実はパリのデパートでプレゼンテーションして、イタリアに帰るガソリン代が足りないので、安くしとくからプレゼンに使った商品を買ってくれませんか」との事。取り出したのは皮ジャン…風の安物のビニールジャンパー。皮だかビニールだか見分けがつかない様に夕暮れの薄暗い時間にやってる様ですが。まぁ、これなんかはある意味ユーモラスというか、パフォーマンスというか、高級革製と謳ってビニールジャンパーを売ったら詐欺でしょうけど、そうは言わないで、あくまでも皮と錯覚させて売りつけるところがミソなんでしょうね。
いろんな事を考えるもんですねぇ、しかし。
こんな事ばっかり読まされたら、嫌になっちゃうかも知れませんけど。
繰り返しますけど、盗難は気をつけていればほとんど防げます。変なのが馴れ馴れしく寄って来たら取り合わないでその場を離れる事です。
勿論、フランスは警戒しなきゃいけないだけの変な国ではありませんよ。それ以上に魅力のある国ですよ。おっさんも20年以上住んでますけど、まだまだ行って見たい所、見てみたい美術館や博物館、山程あります。
警戒するあまりに海外旅行を楽しめないなんてのは本末転倒です。フランスに限らず、海外旅行に出たら、その土地の面白い物、珍しい物、大いに楽しんで下さい。只、頭の片隅にちょっとだけ、「ここは日本とは違う」と言うことだけ、覚えておけば良いんです。
リラックスして旅行は楽しみながら、心のどこかでは常に緊張を保つ。確かに難しい注文ではありますが。
2011年3月23日水曜日
The answer, my friend, is blowing in the wind…
先日町を歩いてたらこんな物を見つけました。鳩さん達のアパルトマンです。
モンマルトルの丘のサクレクール寺院のまん前とは、またえらく高級なアパートですね。
日本の方は「高級アパート」と聞くと違和感を覚えるかも知れませんね。日本風に言えばアパートというと木造で築何十年、オンボロ、を連想する方が多いんじゃないでしょうか。
おっさんが日本で学生の頃に住んでたアパートは確かにオンボロで、窓の下にトラックが停まったらそのエンジンの振動で窓枠がガタガタ鳴り出す様な部屋とか、木の柱とモルタル壁の継ぎ目がずれてしまって、灯りを消したら隣の部屋の灯りが漏れて来る様な部屋とか…そんなんでしたが。
大体今時、例えば女の子を口説いて「僕のアパートに来ない?」などと言ったら「ゲ、この人アパートに住んでんの?」なんて引かれちゃうんじゃないでしょうかね。
フランス語でアパルトマン、英語でアパートメントハウスと呼ぶ物は、日本語ではマンション。英語やフランス語でマンションといえば豪邸の事ですが。
ま、それはともかく。パリ市が鳩の為に住宅まで用意するんですねぇ。確かにパリの街は鳩だらけ。地下鉄の空気口(?)は地下から暖かい空気が吹き出してますので、ホームレスさん達もよく寝てますが、暖かい所に集まるのはホームレスさんだけではない様ですね。
パリの街の中あちこちに、市からの情報を伝える表示板がありますが、冬の間なんかは「地下鉄○○駅は終電の後も暖房をつけたまま開放しておきますのでホームレスの方は御利用ください」なんていうメッセージが表示されてたりします。
だからって訳じゃないでしょうが、地下鉄でも鳩を見かける事もありまして、まぁ迷い込んじゃったんでしょうけど、こんな風にお行儀良く電車を待つみたいなポーズをされると、思わず「おや、どちらへ?」などと聞いてみたくなりますね。
「ヤ」の字から始まる自営業の方から、「地下鉄に鳩がおるんか、コラァ!」と絡まれるというのは文珍師匠の創作落語「おいしい生活」のマクラでしたねぇ。そういえば地下鉄はどうやって地下に入れるのか考えて眠れなくなっちゃったという人もいましたっけ。
ドイツでも見かけましたよ、やっぱり鳩の種類が違うっぽい。
かと思えばシャルル・ド・ゴール空港の待合室にまで居ましたよ。こんなに人の近くでも平気で歩いてますね。よっぽど人に馴れてるんでしょうか。
こちらはヴェニスのサンマルコ広場ですが、鳩の餌を売る屋台が出てました。
屋台と、その近くに群がる鳩を撮ろうと思ったら、ちょうど飛び立った鳩が入っちゃいました。人がカメラを構えてるまん前を無神経に横切る人って居ますけど、こういうハプニングなら歓迎ですね。ところで、この写真を見て、「ハトメ」(って古いな)という言葉の由来に変に納得したおっさんでした。
ハト派・タカ派なんて分け方もしますね。
ノアは洪水の後、放った鳩がオリーブの枝を咥えて帰って来たのを見て、水が引き始めた事を知りました。
煙草の「ピース」のパッケージデザインは鳩でしたね。
ボブ・ディランは「How meny seas must a white dove sail, before she sleeps in the sand?」と歌いました。
平和の象徴である鳩はこんなに身近に居るのにね。人間の世の中はなかなか平和になりませんねぇ。
モンマルトルの丘のサクレクール寺院のまん前とは、またえらく高級なアパートですね。
日本の方は「高級アパート」と聞くと違和感を覚えるかも知れませんね。日本風に言えばアパートというと木造で築何十年、オンボロ、を連想する方が多いんじゃないでしょうか。
おっさんが日本で学生の頃に住んでたアパートは確かにオンボロで、窓の下にトラックが停まったらそのエンジンの振動で窓枠がガタガタ鳴り出す様な部屋とか、木の柱とモルタル壁の継ぎ目がずれてしまって、灯りを消したら隣の部屋の灯りが漏れて来る様な部屋とか…そんなんでしたが。
大体今時、例えば女の子を口説いて「僕のアパートに来ない?」などと言ったら「ゲ、この人アパートに住んでんの?」なんて引かれちゃうんじゃないでしょうかね。
フランス語でアパルトマン、英語でアパートメントハウスと呼ぶ物は、日本語ではマンション。英語やフランス語でマンションといえば豪邸の事ですが。
ま、それはともかく。パリ市が鳩の為に住宅まで用意するんですねぇ。確かにパリの街は鳩だらけ。地下鉄の空気口(?)は地下から暖かい空気が吹き出してますので、ホームレスさん達もよく寝てますが、暖かい所に集まるのはホームレスさんだけではない様ですね。
パリの街の中あちこちに、市からの情報を伝える表示板がありますが、冬の間なんかは「地下鉄○○駅は終電の後も暖房をつけたまま開放しておきますのでホームレスの方は御利用ください」なんていうメッセージが表示されてたりします。
だからって訳じゃないでしょうが、地下鉄でも鳩を見かける事もありまして、まぁ迷い込んじゃったんでしょうけど、こんな風にお行儀良く電車を待つみたいなポーズをされると、思わず「おや、どちらへ?」などと聞いてみたくなりますね。
「ヤ」の字から始まる自営業の方から、「地下鉄に鳩がおるんか、コラァ!」と絡まれるというのは文珍師匠の創作落語「おいしい生活」のマクラでしたねぇ。そういえば地下鉄はどうやって地下に入れるのか考えて眠れなくなっちゃったという人もいましたっけ。
ドイツでも見かけましたよ、やっぱり鳩の種類が違うっぽい。
かと思えばシャルル・ド・ゴール空港の待合室にまで居ましたよ。こんなに人の近くでも平気で歩いてますね。よっぽど人に馴れてるんでしょうか。
こちらはヴェニスのサンマルコ広場ですが、鳩の餌を売る屋台が出てました。
屋台と、その近くに群がる鳩を撮ろうと思ったら、ちょうど飛び立った鳩が入っちゃいました。人がカメラを構えてるまん前を無神経に横切る人って居ますけど、こういうハプニングなら歓迎ですね。ところで、この写真を見て、「ハトメ」(って古いな)という言葉の由来に変に納得したおっさんでした。
ハト派・タカ派なんて分け方もしますね。
ノアは洪水の後、放った鳩がオリーブの枝を咥えて帰って来たのを見て、水が引き始めた事を知りました。
煙草の「ピース」のパッケージデザインは鳩でしたね。
ボブ・ディランは「How meny seas must a white dove sail, before she sleeps in the sand?」と歌いました。
平和の象徴である鳩はこんなに身近に居るのにね。人間の世の中はなかなか平和になりませんねぇ。
2011年3月16日水曜日
別に潜在意識が更新を拒否した訳じゃありませんよ。
昨日は予定外に、従って何の準備もしてなかったんですが、急遽泊り込みになっちゃいましたのでね。
昨日更新をしなかったのは、決して、結婚記念日について書く事に躊躇があったとか、そういう訳ではありません。(今、うっかりarimasu、とタイプミスをしてしまったのですが、本当に、単なる、うっかりタイプミスなんですが、こういうのもフロイト先生に言わせると潜在意識の為せる業なんでしょうね。そう考えると初期の精神分析があれだけ嫌われたのも分かる様な気がします。)
という訳で、昨日おっさんと家内の結婚記念日だったよ、と杏村から便りが届くのですよ。(いや、忙しくて忘れてたって意味じゃありませんよ。)
20年。そして一番上の娘は19歳。計算は合ってますね、ってかそれはさて置き。紙だの藁だのから、やっと陶磁器にまでなった訳です。金・銀・ダイヤまではまだまだ長いですね。
まぁ、結婚記念日に花束を買って帰ったら、「あれ、今日はなんかの日?誰かの誕生日だっけ?」などとボケをかます家内ですから、(しかも、どうも天然だったらしい)結婚記念日ネタを書かなかったからと言って怒りゃしないでしょうが、やっぱりねぇ。書かないというのもなんですし。
結婚20年、こういう女房で良かったと思ってますし(そう言っとかないと後が怖い) 、特にここ数年の変則的な生活を支えて貰ってる事には非常に感謝する訳です。(おっさんは現在、故有って単身赴任(?)中であります。)
地震・原発事故、それに伴う経済の更なる沈滞等々、何だかここ数年は更に厳しくなりそうでさえありますが、30周年、40周年を迎えた時、「20周年の頃は大変だったよねー」などと言っていられる様な夫婦でありたいと思って居ります。はい。
そう言えば某裁判所内には「○○裁判所恐妻組合」なるものがあったそうですね。(Oさん御夫妻、お元気でしょうか。)
以前、なんでそういう話になったのかは覚えてませんが、娘と「バカップル」の話になりまして、
娘 「お父さんとお母さんも…?」
おっさん 「うん、若い頃なんかはやっぱりねぇ。相当に…」
娘 「今も現役だと思う」
とやら。
しかしまた、結婚記念日に限らず、何かの記念の日というのは、またこの日を迎える事ができたという反面、もうそんなに経つのかと、それだけ齢をとったのかと、改めて考えますねぇ。
門松は冥土の旅の一里塚 目出度くもあり目出度くもなし 一休禅師
一休禅師といえば、例の「親死ぬ 子死ぬ 孫死ぬ」もありますが、これ、一休禅師と仙厓和尚に同じ話が伝わってますね。色々調べてもどっちが本当なのかよく分からないんですが。序でに言えば一茶にも
親が死ぬ子が死ぬ後に孫が死ぬ
がありますね。
まぁ、時代的には
一休禅師 1394-1481
仙厓和尚 1750-1837
小林一茶 1763-1828
ですから、一休禅師の言葉を仙厓和尚や一茶が引用した、ということなんでしょうかね。それとも後世に加わった伝説なんでしょうか。
話の内容は共通ですが。人から「何か目出度い事を書いて下さい」と頼まれて、書いたのがこれ。目出度いどころか縁起でもない、と依頼主が怒ったら、「これが本来の順番。目出度い事じゃないか。順番が逆だったらどうなるか考えてごらん」と答えた、という話。さて、おっさんは目出度く孫の顔を見てから死ねるでしょうかね。
すみません、MSNニュースから拾った映像、使わせて頂きます。イタリア(だったと思う)の遺跡から発掘された「カップル」。
どういう経緯で二人で葬られたのかは判明していない様ですが、おっさんとしては家内とこんな風に時を越えて一緒に居たいものです。
おまえ百までわしゃ九十九まで 共に白髪の生えるまで
家内は若白髪ですし、おっさんはかなり禿げ上がりまして、そのうち白髪も生え様が無くなるかも知れませんが。
松の双葉は肖りものよ 枯れて落ちても夫婦連れ
ホントに。枯れて落ちても宜しく。
昨日更新をしなかったのは、決して、結婚記念日について書く事に躊躇があったとか、そういう訳ではありません。(今、うっかりarimasu、とタイプミスをしてしまったのですが、本当に、単なる、うっかりタイプミスなんですが、こういうのもフロイト先生に言わせると潜在意識の為せる業なんでしょうね。そう考えると初期の精神分析があれだけ嫌われたのも分かる様な気がします。)
という訳で、昨日おっさんと家内の結婚記念日だったよ、と杏村から便りが届くのですよ。(いや、忙しくて忘れてたって意味じゃありませんよ。)
20年。そして一番上の娘は19歳。計算は合ってますね、ってかそれはさて置き。紙だの藁だのから、やっと陶磁器にまでなった訳です。金・銀・ダイヤまではまだまだ長いですね。
まぁ、結婚記念日に花束を買って帰ったら、「あれ、今日はなんかの日?誰かの誕生日だっけ?」などとボケをかます家内ですから、(しかも、どうも天然だったらしい)結婚記念日ネタを書かなかったからと言って怒りゃしないでしょうが、やっぱりねぇ。書かないというのもなんですし。
結婚20年、こういう女房で良かったと思ってますし
地震・原発事故、それに伴う経済の更なる沈滞等々、何だかここ数年は更に厳しくなりそうでさえありますが、30周年、40周年を迎えた時、「20周年の頃は大変だったよねー」などと言っていられる様な夫婦でありたいと思って居ります。はい。
そう言えば某裁判所内には「○○裁判所恐妻組合」なるものがあったそうですね。(Oさん御夫妻、お元気でしょうか。)
以前、なんでそういう話になったのかは覚えてませんが、娘と「バカップル」の話になりまして、
娘 「お父さんとお母さんも…?」
おっさん 「うん、若い頃なんかはやっぱりねぇ。相当に…」
娘 「今も現役だと思う」
とやら。
しかしまた、結婚記念日に限らず、何かの記念の日というのは、またこの日を迎える事ができたという反面、もうそんなに経つのかと、それだけ齢をとったのかと、改めて考えますねぇ。
門松は冥土の旅の一里塚 目出度くもあり目出度くもなし 一休禅師
一休禅師といえば、例の「親死ぬ 子死ぬ 孫死ぬ」もありますが、これ、一休禅師と仙厓和尚に同じ話が伝わってますね。色々調べてもどっちが本当なのかよく分からないんですが。序でに言えば一茶にも
親が死ぬ子が死ぬ後に孫が死ぬ
がありますね。
まぁ、時代的には
一休禅師 1394-1481
仙厓和尚 1750-1837
小林一茶 1763-1828
ですから、一休禅師の言葉を仙厓和尚や一茶が引用した、ということなんでしょうかね。それとも後世に加わった伝説なんでしょうか。
話の内容は共通ですが。人から「何か目出度い事を書いて下さい」と頼まれて、書いたのがこれ。目出度いどころか縁起でもない、と依頼主が怒ったら、「これが本来の順番。目出度い事じゃないか。順番が逆だったらどうなるか考えてごらん」と答えた、という話。さて、おっさんは目出度く孫の顔を見てから死ねるでしょうかね。
すみません、MSNニュースから拾った映像、使わせて頂きます。イタリア(だったと思う)の遺跡から発掘された「カップル」。
どういう経緯で二人で葬られたのかは判明していない様ですが、おっさんとしては家内とこんな風に時を越えて一緒に居たいものです。
おまえ百までわしゃ九十九まで 共に白髪の生えるまで
家内は若白髪ですし、おっさんはかなり禿げ上がりまして、そのうち白髪も生え様が無くなるかも知れませんが。
松の双葉は肖りものよ 枯れて落ちても夫婦連れ
ホントに。枯れて落ちても宜しく。
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