7/12のサン・ロックに続き、シャセリオー第二弾。
ドラクロワと共にロマン派に分類されるシャセリオーですが。ほぼ同時代に(とは言っても早熟・夭折の天才シャセリオーはドラクロワより二十年近く遅れて生まれ、ドラクロワより先に死んでますが)活躍し、共に装飾の仕事なども多く手がけた二人ですが、その才能の種類は対極にあったんじゃないかとすら思うんですが。
それは例えば6/19のドラクロワの「ピエタ」と、このシャセリオーのドーム天井画を見比べてみるとわかるんじゃないかと。
ドラクロワの「ピエタ」が真正面から対象を描き出してるのに対して、このシャセリオーの作品は中心主題のキリスト降架にすべてを集約させながらも、周りの空間に群像を盛り込んで、且つ全体をひとつに纏め上げるという…何を言ってるのかよくわかんなくなって来ましたが。まぁつまりドラクロワの作品が割と「私的」なのに対して、シャセリオーって、もっとモニュメンタルな感覚に恵まれてたんじゃないかと思う訳です。はい。
それは例えばアップだけじゃなくて、この天井画を含む壁面全体を見ると更にわかりやすいかも知れない。
なんかこう、ここにサン・ドニ・デュ・サン・サクレマン教会のドラクロワを持って来ても似合わないというか。勿論主題の問題もありますけど。この広い空間に、ドラクロワの「ピエタ」みたいなシンプルな構図は普通持って来ないでしょうけどね。
さて、中身の話ばっかり先にしちゃいましたけど、ここはサン・フィリップ・デュ・ルール教会です。ここはうちの事務所も近いから、ついでにちょっと寄る事もできます。
この辺りはQuartier du Faubourg-du-Roule(フォーブール・デュ・ルール地区)といいまして、パリの街は1から20区に分かれてる訳ですが、またその中でいくつかの地区に分かれます。全部で80のQuartier(地区)があります。その中のルール地区にある、十二使徒の一人である聖ピリポに捧げた教会です。
まぁ、ここには「イエスの兄弟」といわれた聖ヤコブも祀られてますが。
オフィス街に割とひっそりと建ってる感じの教会ですね。いつ行ってもあんまり人の気配が感じられない。ま、その方がこっちは気兼ね無く見学できて良いんですが。静かに祈ってる人の脇で見学したり、写真撮ったりはどうも気が引けて。
教会を歩く時はなるべく邪魔にならない様に、足音も殺す癖がついちゃいました。
忍び足で歩きながら撮った画像。
脇の礼拝堂の天井はこんな感じ。
なんかプランタンデパートのドーム屋根を思い起こさせる様なステンドグラスですね。プランタンのドームも確か歴史的記念建造物になってませんでしたっけ…?
そういえばプランタンデパートに入ってた高島屋さんが八月限りで撤退しちゃったとか。日本経済はよっぽど深刻な状態なんでしょうか。その割にドルもユーロももっと信用が無くて円が買われて超円高。ユーロで収入を得てる身としてはきついんですけど。
教会に行っても心が安らかになりませんねぇ。
まぁもともとおっさんは異教徒ですから場違いなのは重々承知ですが。
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