「地下鉄のザジ」1960年、ルイ・マル監督の映画ですねぇ。前作「死刑台のエレベーター」とは打って変わったスラップステイック・コメディでした。
地下鉄に乗るのを楽しみにパリにやって来た少女ザジは、ガブリエルおじさんから「どこへ行きたい?何が見たい?」と聞かれて答えます。「Le・Me・tro!」(地・下・鉄・よ!)と答えますが、そのメトロはストライキ中。ドタバタ劇の始まりです。実際フランスはストライキが多いですしね。
おじさん「ほら、メトロならそこに」
ザジ「メトロは『地下鉄』でしょ、あれはメトロじゃない!」
そう、地上を走る地下鉄もある訳ですね。
画像はベルシー橋を渡る地下鉄6番線、「地下鉄」が「地上」を走る部分です。
地上駅 1902から1909年
大体においては地下だが、地下鉄は特に2番線と6番線に26の地上駅があり、地下鉄網の環状部分を成している:ナシオン=シャルル・ド・ゴール・エトワール間の北周り(2番線)と南回り(6番線)である。
旧「関税障壁」跡に沿う事によって、実際、トンネル掘削の予算を節約し、建築家カミーユ・フォルミジェによって、煉瓦、石、そしてギュスターヴ・エッフェルのスタイルによって構成された鉄製の枠組といったいくつかの建築技術を統合して、通りの上に陸橋が造られた。
二番線では翼型の屋根がそれぞれのホームを覆っている。逆に六番線では一繋がりになったガラス屋根がホームも線路も同時に覆っているのを見る事ができる。長距離線の大きな駅の建築にも見られる形であるが、メトロの時代にはホームは改良され、非常に分かり易いものになっている。
さて、二番線の「翼型」というのはこういう事ですね。
親鳥が雛鳥を庇う様に翼を少し開いた形とでも言いましょうか。バルベス・ロシュシュアール駅にて。
六番線の一体型の屋根は確かにホームと線路を同時に覆ってます。ラ・モット・ピケ駅。
まぁ、六番線にもパッシー駅みたいにホームだけ覆われていて線路には屋根の無い所もありますけどね。
そしてそのパッシー駅から更に南下すると、ビール・アッケム橋を渡ります。ビール・アッケム橋を渡るメトロ車内からの眺め。
鉄橋にはパリ市の紋章がついてます。カンブロンヌ駅付近。
「地上」鉄の紋章は翼を持った地球。ラ・モット・ピケ駅。
同じくケ・ド・ラ・ガール駅。
翼を持った地球。「地下鉄」にねぇ。
地下鉄の「地上」部分をMetro Aerienneといいます。「空中地下鉄」の意味ですね。
「空中」だから翼なんでしょうか。
翼があるなんて、やっぱり、「あれは地下鉄じゃない!」
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