なんて古いんだ。坂本九さんの「上を向いて歩こう」は永六輔作詞、中村八大作曲、坂本九歌唱の所謂「六八九トリオ」の最初の曲じゃありませんでしたか?このトリオも今は「六」さんしか生き残ってませんねぇ。(清志郎も死んじゃいましたし。R.C.の「上を向いて歩こう」も好きでした。)
1961年の発表。海外でもこれだけのヒットを収めた曲も珍しいんじゃないでしょうか。尤も海外では何故か「スキヤキ」という意味不明のタイトルになっておりますが。
ところで。パリの街を歩く時、「上を向いて」いるとこんな物が…
あぁ、パン屋さんの看板ですね。「Boulanger」(ブランジェ)とはパン屋さんの事です。正確にはパン職人の事で、パン屋さんは「Boulangerie」(ブランジュリー)ですが。
「Artisan」(アルティザン)は職人とか手作りとかの意味です。ジャック・シラク大統領時代でしたかね、自分の所でパンを焼いて売ってる店しか「パン屋」と呼んではいけない事にしよう、なんていう法案が国会に提出されたりしましたね。あれは結局可決されたんだろか?
では自分でパンを焼いていない、他から仕入れたパンを転売する店はなんと言うかといえば、「Depot du Pain」(デポ・デュ・パン)といいますね。村に一軒しかないパン屋さんの定休日に、その村の食料品・雑貨屋さんがデポ・デュ・パンをしてるなんてのは良くある話です。
ところで、この看板、まったく同じ物をヴェルサイユでも見かけました。こういうパン屋さんの設備とか用品を扱ってる会社があって、この二軒のパン屋さんは、たまたまその会社の同じ製品を購入したんでしょうね。
さて、今度のは…看板とは言えませんけれど、でもちょっと勘違いで面白かったので載せちゃいます。
赤提灯に「寿司」。こういう店は間違い無く「なんちゃって」日本料理店ですね。赤提灯なら「焼き鳥」「おでん」「酒」「居酒屋」でしょう、やっぱり。今はもう無くなってしまいましたが、やっぱり赤提灯に「寿司」「刺身」なんて書いてあり、でも店の名前が「上海」なんて店が昔モンマルトルにありました。
赤提灯といえば…おっさん世代にはやっぱり1974年のかぐや姫の大ヒット曲「赤ちょうちん」と、その映画化、秋吉久美子の映画「赤ちょうちん」が思い浮かびますなぁ。
映画の主題歌やエンディングテーマがヒットしたとか、映画と曲のタイアップ売り込み戦術なんてのはありふれた話ですが、まず曲がヒットして、その作品世界をモティーフとして、曲のストーリーを元にして映画が撮られたケースなんてそう多くはありませんね。「かぐや姫」では「神田川」「赤ちょうちん」「妹」が映画化されてます。
こういうのって、他に見当たりませんけど…1991年中島みゆきの「南三条」が柳葉敏郎・浅野ゆう子主演のテレビドラマ「親愛なる者へ」になった位かなぁ。
と思ったら。あったじゃないですか。1962年の映画「上を向いて歩こう」が。
当然の事ながら九ちゃん主演。若き日の高橋英樹さんの学生服姿がなんか笑えました。吉永小百合さん、やっぱりきれいですねぇ。おっさんは結構サユリストです。
まぁ、映画のストーリーの方は曲の作品世界とは大分違いましたけどね。
更に「上を向いて」歩いていると…
おや、馬肉屋さんの看板ですか。読んで字の如しと言うか、そのものズバリと言うか。フランス人は結構馬肉も食べます。おっさんもタルタル・ステーキなんて大好物です。まぁフランスの馬刺しというかユッケですかね。タルタル・ステーキは牛肉でも馬肉でも作ります。
日本からの旅行者さんが、パリのレストランでフランス語のメニューと格闘中。「わかんないよー」なんて声が聞こえて来ます。そのうちどうでも良くなっちゃったんでしょうか、「これでいいや、ナントカ・ステーキ。」注文の品が出て来たらきっと驚くんだろうなぁ。
いつかカフェでタルタル・ステーキを注文したら、ボーイさんが「タルタル・ステーキってのは生肉だぞ、本当にいいのか?」と聞いてきました。そりゃ生じゃなきゃ困ります。焼いてあったらハンバーグになっちまう。
生肉に驚く日本人が多いから、一応確認したんでしょうね。
生肉料理なんて日本にいくらだってあるだろうに。日本から見えた方のお供で食事をする時、タルタル・ステーキなんか注文すると、
「何ですか、それ?」
「タルタル・ステーキ、生肉です。」
「えぇぇぇ~!生肉ですかぁぁぁ~!?」
「日本でも食べるでしょ、生肉。」
「食べませんよぉ、生肉なんて!」
「そうですか、私は焼き肉屋に行ったら必ずユッケを食べますし、馬刺しや牛刺しなんかもあるでしょう?」
「ユッケ?馬刺し?…あ!ホントだ!食べますね、生肉!あぁ~、そうかぁ~」
こんな会話を何度繰り返した事か。ユッケが生肉だと今まで知らなかった訳じゃあるまいに。
大体、生の魚肉を普通に食べてる人達が、生の牛肉や馬肉で驚くなよ、今更。
豚は寄生虫の問題もあるから火を通した方がいいですが。
日本でも東京・深川辺りに行くと「馬刺し」屋さんがたくさんありますね。結構高いのでそうそう行くこともできませんけど、好きだわ。
コリアンレストランの「牛刺し」ユッケも好きですけど、「たたき」のスッケも良いですねぇ。
ヨーロッパで言う「タルタル・ステーキ」はモンゴル起源と言われてます。タタール人の肉料理で「タルタル・ステーキ」ですね。タタール人とはロシアの南側のモンゴルからタタルスタン辺りにかけてのモンゴル系、チュルク系、ツングース系の人々を指す言葉だったそうですね。中国語で韃靼人。「鉄腕アトム」に「ロボット共和国」という話があって、ロボットが人間の支配から独立しようとするんですが、この時のロボット軍の戦士の一人(一体?)に「ダッタン」てのがいました。やっぱりそれらしき民族衣装風のデザインでしたね。
ロシアのアレクサンドル・ボロディン作曲の「韃靼人の踊り」も有名です。
さて、そろそろ話を戻して最後の看板。これは上だけ見てても駄目ですね。下も見なきゃ。
さて、何の看板の影でしょう?ヒント:モン・サン・ミッシェルで撮影しました。
これです。竜(悪魔)を打ち倒す大天使ミカエルですね。これはモン・サン・ミッシェルの海洋博物館の看板です。大天使ミカエルについては何度も書いてますが、差し当たり12/1、4/29辺りの記事を御覧頂きましょうか。
天使とか悪魔とか、その辺に御興味ある方にはミルトンの「失楽園」をお勧めします。平井正穂さんの名訳が岩波文庫から出てますしね。おっさんなんぞが何を言うよりも、冬の間の炬燵の友として、この壮大な叙事詩など通読してみては如何でしょう。
さて、そういう訳で、モン・サン・ミッシェルで「上を向く」と…こんな感じ。今までに何度も行きましたけど、やっぱり、きれいですねぇ。
0 件のコメント:
コメントを投稿