2011年11月14日月曜日

保守と革新。

いや、政治の話じゃありません。


オペラ座の話でもありません。オペラ座の手前に見えている地下鉄の入り口の話です。これ。



「石の入り口」1904年 建築家:マリ・ジョセフ・カシアン・ベルナール

この駅の入り口を飾るネオ・ゴシック様式の石の手擦りは、メトロ全駅(訳注:当時の「全駅」)に造られ、パリジャンの中からも「衝撃的過ぎる」という声も上がったエクトル・ギマール作のアール・ヌーヴォー様式の物と違って、オペラ・ガルニエと調和する様に特別にデザインされた。
カシアン・ベルナールのデザインによる入り口は、特にオスマン男爵によって造られた大通りや広場の元の様式を保護する為、シャンゼリゼ大通りやリパブリック広場等、他の駅にも使われている。

オスマン男爵はご存知の通りナポレオン三世の第二帝政時代(1852-1871)にパリを大改造した知事さんですね。オペラ座は1862年に礎石が置かれ、1875年に完成してますから、ナポレオン三世在位時代には間に合わなかったものの、第二帝政下のオスマン様式です。

周りの石造りの建築物群の雰囲気に溶け込んでしまいそうな、やはり石造りのこの地下鉄入り口は、メトロの表示も看板やポールを立てるでもなく、こんな風にさり気無く刻まれてます。


別バージョンもあって、マドレーヌ駅の入り口には「Metropolitain」と共に「Passage Public」と記されてます。


「Passage Public」。公共の通路(Publicって英語と同じ綴りだったんだ。Publiqueだとばっかり思ってましたが)。これはこの入り口がメトロの入り口だけでなく、道路横断用の地下通路にもなってる事を示してるんでしょうか。でもこう書いてなくても横断地下通路になってる所もあるしなぁ。

ま、統一が取れてないのはいつもの事ですけどね。

さて、ギマールの入り口はオペラ座の景観には似合わないでしょうかね?
別に喧嘩はしないと思うんですけど。
確かに、入り口の幅がかなり広くて、11/3のキャトル・セプテンブル駅とダンフェール・ロシュロー駅の入り口の違いの様に、更に横に広げなきゃいけないでしょうから、どちらかと言うと景観の問題より構造上の問題で難しそうな気はしますけど。

やっぱり斬新な物には賛美と共に批判も多いんですね。ギマールのデザインによる入り口はオペラ座の雰囲気に似合わないと言う事で、特別に「オスマン仕様」の物をデザインしたという事ですか。

斬新といえば…最近の子供達の名前も相当斬新らしいですね。これからの時代、学校の先生って物凄く大変な仕事になりそうです。

hamusoku.com/archives/6302765.html

gekinyu-su.tumblr.com/post/5451450214/dqn-w

こういうのも将来、一般的な名前になって行くんだろうか。
ここには出てませんけど、これが一番有名じゃないですか?
「金星」(まあず)ちゃんだか君だか知りませんが、いや、金星はヴィーナスだろ。

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