フランスに来たばっかりの頃。だから20年以上前の話です。
当時勤めていた会社の取引先の担当者が、イタリア系(?だと思う)のグラマー美女でした。で、会社のフランス人の女の子が、当時まだ独身だったおっさんに、「ほら、あの娘なんかどう?でも駄目よ、あの娘は彼氏がいるから。」なんてからかって来まして。別に(グラマー美女である事は十分認めますが)とりあえず特別好みという訳でもなかったので、「ふぅん、でもまぁ綺麗な人だよね」とか気の無い返事をしたんですが、会社の女の子が続けて、「ホント、綺麗よね、あの娘。でも、オッパイが大きいけどそれは気にならないの?」と聞いて来まして。
男と女で、いろんな事に感覚が違うのは解ってますけど、この質問はやっぱり不思議でした。
そりゃ、でかきゃ良いってモンじゃありません。肥満の延長線上にある巨乳とか、畸形やホルモン異常を疑いたくなる位大きすぎるとか、そうでなくても全身のバランスというか調和を乱す位大きいとかだったらともかく、普通に考えて、巨乳は一般的には男には喜ばれる物だと思いますけどね。女の立場からは、増して異民族ですから、「大き過ぎる」とかそういう感覚も違うんでしょうか。
勿論好みの問題もありますが。とんでもなく女好きのフランス人のオジサンと話していて、やっばり必然的にそういう話になりますよね。で、いろいろ話してるうちに、「で、どんな胸が好きなの?」とオジサンに聞いたら、「掌に収まるサイズが良い」と、パソコンのマウスを操作する手つきのまま指と指の間を全部くっつけた様な形を作ったのでした。所謂貧乳好き?
最近日本で流行ってるのは「大きい胸を小さく、コンパクトに見せるブラジャー」だそうですね。小さい人も悩むんでしょうが、大きい人には大きいなりの悩みがある様ですね。
で、何の話かというと、似た様なギャップは民族間にもあると言う事です。
日本の、一重瞼の女性、気にしますよね。何て言いましたっけ、あの細長いシールみたいなのを瞼に貼り付けて無理矢理二重にする奴。とか、プチ整形なんか。フランスの一般的な男性の意見として、あの一重瞼の目こそ、フランス人にとって「エキゾチックな魅力」なのだ、と言う人が多いです。
髪もそうですね。フランス人さんからすれば、ストレートの黒い髪は彼等にとっての「エキゾチックな魅力」ですから、茶髪にしたり、凝ったパーマとかカールとか、なんでするの?という事になります。
ある日本人画家さんが、奥さん(フランス人です)の肖像画を描いたんですが。肖像画には、日本人がヨーロッパ人を見た時にやっぱり目に付く特徴、「高い鼻」が描かれてました。日本人から見て、欧米人の鼻が高いと言うのはある意味当然なんですが。この肖像画を見た、あるイタリア人さんの感想は、「鼻をこんな風に強調して描かれて、奥さんは怒らなかったんだろうか」というものでした。別にマンガみたいにデフォルメしてあった訳じゃありませんよ。普通に「鼻が(日本人より)高い」フランス人女性の肖像が描かれていたんですが。
似た様な話。あるアメリカ人女性が日本に行ったとき、会う人会う人から「うわぁ、鼻が高~い」と言われ、「こいつらケンカ売ってるんだろうか」と思ったそうです。その女性は子供の頃から鼻が高いのがコンプレックスだったそうで、気にしているのに、会う人会う人からそれを指摘された訳ですね。言った方は間違い無く羨ましがって、褒めたつもりだったんでしょうがね。
実際、高い鼻にコンプレックスを持つ欧米人は多い様で、高い鼻を低くする整形手術があります。日本人の感覚からすれば「あんなに鼻が高いのになんでわざわざ低くしちゃうの?」ですよね。
他にも、顔(頭)が小さいのがコンプレックスだとか、脚が長くて細いのがコンプレックスだとか、日本人からすればそれこそ「ケンカ売ってんのか?」と言いたくなる様な事で悩んでいる欧米人女性は結構いる様です。
日本で「細い脚」がもてはやされる様になったのは「ミニの女王」ツィギーの来日以降ですね。それ以前の世代の人は、細い脚を見ると「何だあの細い脚は、気持ち悪い」なんて言ってました。スマート過ぎる女の子は女としての魅力を認めて貰えなかったり、逆に「健康的な太い足が羨ましい」なんて悩んだりしたとか、西岸良平さんが描いてましたね。
おっさんは以前書いた縄文型骨格のせいで「日本語が上手ですねぇ!」などと言われますが、比喩的な意味でも、実際の寸法上も「でかいツラ」してます。そのわりに「腰が低い」です。足が短いから必然的に腰の位置が低いというね。清水義範さんもそんな事書いてましたね。「すらりと伸びた長い胴」とか。
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