2011年5月22日日曜日

また今夜も眠れなくなっちゃった。

古いなぁ。という訳で本日は地下鉄。

パリのメトロは1900年の万博に合わせて開業しました。1896年から1932年まで技師長を務め、「メトロの父」と呼ばれたのがフュルジョンス・マリー・オーギュスト・ビヤンヴニュで、彼の名は「モンパルナス・ビヤンヴニュ」駅の名に残されてますね。
現在パリのメトロは14路線、300駅を数えます。最新の14番線は運転士がいない集中制御のメトロで、一番前の席に座るとジェットコースターみたいで面白いですよ。

「地下鉄のザジ」1960年、ルイ・マル監督の映画ですね。2009年でしたか?修復したフィルムで最映されました。ルイ・マル監督のデビュー作「死刑台のエレベーター」(こちらは2010年、緒方明監督、吉瀬美智子、阿部寛主演でリメイクされましたね)からは想像もつかないドタバタコメディーです。劇中、地上を走る地下鉄を指して、ガブリエルおじさんが10歳の生意気少女ザジに「ほらメトロならそこに」と言いますが、ザジは「メトロ?メトロは『地下鉄』でしょ?これはメトロじゃない」なんていうシーンがありますね。
パリのメトロの6番線と2番線は地上に出て、それどころか高架になってます。特に6番線のパッシー駅とビル・アケム駅の間は、高架線上を走るメトロがセーヌ川を渡るので、窓からエッフェル塔がよく見えますね。
駅も高架上にあります。ラ・モット・ピケ駅からの眺め。奥に見える高層ビルは「モンパルナスタワー」。
地下鉄ですから、勿論地上ばっかりじゃありません。
1番線と7番線の乗換駅、Palais Royal Musee du Louvre駅の入り口。巨大なビーズ細工みたいですね。
ただしこの入り口、入って行くと、自動改札機しかありません。前もって回数券を買ってある人か、定期を持ってる人しか使えないと言う事ですね。

メトロのホームで電車を待ってたらこんなのが来ました。保守点検?修理?の作業車ですね。ご苦労様です。
かと思えば、「こらちゃんと仕事しろ」と言いたくなる様な事もありますねぇ。日本でこんな事やったら怒られるでしょうね。「次の電車は今から3分後に来ます。その次の電車は今から8分後に来ます」ふむ。で、今何時?
ちゃんと仕事してる人も居ますって。メトロの広告ポスターを貼る職人さん。プロです。メトロ構内の巨大なポスターは、実は六枚位のポスターを継ぎ合わせてあるのですね。まぁ、職人さんの腕によりけり、時々継ぎ目がずれてるのなんかもありますが。
ところで、ある日こんなポスターを見かけて、思わず笑ってしまいましたよ。
男は「裸ズボン」女は「裸シャツ」というのは結構、男の永遠の願望であったりする訳ですね。映画や漫画なんかにも結構出てきますし。おっさんだけじゃなかったらしい。
ん?おっさんは家の中では大抵Tシャツ(かポロシャツ)・ジーンズですよ。
家内ですか?「裸シャツ」?いや、ムリしなくて良いから。

くだらん話はさて置き。地下鉄1番線、Hotel de Ville駅構内に、こんなプレートがあります。
1944年8月16日、
3000人のパリ地下鉄公団の職員が、占領軍によって禁止されていたストライキを行い、ナチス占領下のパリで、サン・ポール駅からオテル・ド・ヴィル駅まで行進した。
このデモは、パリ解放のためフランス内部から行われた「自由フランス軍」による全体蜂起の夜明けを告げるものとなった。
この出来事の50周年に当たって、パリ地下鉄・バス公団の全職員は、パリが自由を取り戻す事に貢献した、慎ましく、無名の、しかし勇敢な3000人の職員に賛辞を贈るものである。

フランスのあちこちにこういう物が残されてますね。11月11日の第一次世界大戦終戦記念日、5月8日の第二次世界大戦終戦記念日には、各機関区や路線ごとに駅構内に設けられた戦没者の慰霊碑に献花が絶えません。勿論鉄道以外にも職場や学校ごとに慰霊碑があります。

しかし、フランス人のスト好きにはこういう背景もあるのかも知れませんね。勿論、労働条件や待遇の問題、そして政治的要求を掲げてストやデモをする訳ですが、心のどこかでこういうヒロイックな先人たちに自分を重ね合わせてるんじゃないでしょうかね。

スト予告は大抵出るんですが、時には「抜き打ちスト」もありまして、突然「今からストライキに入ります」なんて電車が止まったりとか。これは困るんですけど。

日本では政治的なデモはまだしも、労働条件に関するデモなんかは滅多に見なくなりましたねぇ。日本では珍しいからか、パリでデモを見ると日本の方は「何のデモですか?」と聞いて来るんですが。パリに住んでるとデモやストは「またか」という感じなので、何を要求するデモ・ストなのか知らなかったりします。何かを要求して、それを世間に知らしめるための行動の筈なのにね。これじゃ逆効果じゃないか?

0 件のコメント:

コメントを投稿