英語バージョンでは「Smoking Kills」ですね。「煙草は殺す」と。
それに比べると、日本の「脳卒中の危険性を高めます」だの、「依存が生じます」とか、「健康に悪影響を与えます」なんてのは世界基準から言ったら落第もいいとこでしょう。
フランスの煙草のパッケージには他にもヤニだらけになった肺の解剖図だの、ボロボロの歯だの、いろんな写真が載ってます。
で、まぁそんな写真満載であろうと何だろうと、やっぱり吸う人は吸うのですね。かく言うおっさんもヘビースモーカーであります。
フランスは屋内は禁煙、屋外ならいくらでも吸って良いことになってます。飲食店に喫煙席、オフィスに喫煙コーナー、でも路上禁煙という日本とはかなり違います。まぁ、日本の飲食店の喫煙席も大分減って来た様ですが。
屋内禁煙ですから、オフィスビルやホテルの前なんかには大抵灰皿がおいてあって、みんな休憩時間にビルを出て吸ってます。
先日あるホテルの前で煙草を吸ってたら、通りかかった日本の方がお連れさんに「こんなに煙草を吸う国も珍しいよね」と言っているのが聞こえました。そうですか？確かに日本では路上では吸えない所が多くて、「路上で煙草を吸っている」姿はあんまり見かけないかも知れませんが、喫煙者自体の割合が日本とフランスでそう大きく違うとは思えませんけどね。まぁ、その方の周囲に喫煙者が少ないから目に付くんでしょう。
馴染みの喫茶店のテラス席。テラスは屋外ですから喫煙できます。で、そこは日本人旅行者もよく来る所なんですが、まぁ来る人来る人吸うわ吸うわ。喫茶店のフランス人のマダムは「日本人ってどんだけ煙草吸うのよ？」と驚いてましたし。
日本の方は、「パリは歩き煙草、ポイ捨てが当たり前なので、まぁ積極的にポイ捨てはしないにしても、そんなに日本並みに気を使う必要はありませんよ」と説明しても、「ここは吸っていいんですか」とか、いちいち聞いて来たり、携帯灰皿が吸殻で一杯になっても町のゴミ箱に中身を捨てるのさえためらったり。行儀が良いのは結構ですが、少し肩の力を抜きましょうや。
ところで最近、パリの街に、こんなものが設置される様になりました。
「一緒に美しいパリを創りましょう！吸殻？灰皿を御利用下さい」。でも別に灰皿が設置された訳ではありません。街のゴミ箱に、煙草を揉み消す為の鉄板を取り付けただけ。この鉄板で煙草を消して吸殻はゴミ入れにどうぞ、と言う訳です。確かに灰皿その物をあちこちに設置するより安上がりですが、鉄板に擦り付けた煙草の火球がゴミ入れの中に落ちて火事にならないか心配になりますね。
他にも一応「喫煙コーナー」なるものがお目見えしまして、これはシャルル・ド・ゴール空港の「喫煙コーナー」ですが、見事に誰も使ってない。みんな外で吸ってる。そして喫煙コーナーの外にも灰皿。
喫煙コーナーの外にある灰皿の方が一杯で、更にその灰皿の周りにはポイ捨ての吸殻が一杯。
意味無いですね。
ところで、以前ドイツに行った時、シュトゥットガルト駅で、こんな看板を見かけました。
成程。当駅は禁煙駅ですか。それなら、と駅の外で一服してからホームへと向かいました。そしたらホームに何故か喫煙コーナーが。あれ？禁煙駅じゃなかったの？
最近は日本から来る愛煙家さん達は一様に「肩身が狭くなった」と仰いますが、例えば煙草税で造られた施設を利用する時、嫌煙家さん達はどんな気持ちで使ってるんでしょうね。「この施設はあのクソ忌々しい煙草のお陰でできたのか…」なんて、「坊主憎けりゃ」みたいな気になるんでしょうか。
ま、それはさて置き。
1920年代、アメリカ禁酒法時代にアル・カポネやライバルのジョージ“バグス”モランが暗躍した様に、愛煙家がどんなに肩身が狭くなっても、ひょっとしたら法律で禁止されても、煙草って無くならないんじゃないだろうか。
アメリカの「禁酒法」ってのも凄い法律でしたけど。「禁煙法」ってのが出来たら世の中どうなりますかね？
なんて事も時々考えますけど、今日もやっぱり吸ってる訳ですね。で、先日煙草を買ったら、こんな袋に入って来ました。
ちょうどカートンが入る大きさのレジ袋。こんなのがあったのか。以前パン屋さんで、あの長いフランスパンがちょうど入る長～い紙袋は見た事ありますけど。
このカートンにも「FUMER TUE」煙草は殺す。で、カートンを開けて、一つ一つのパッケージにも「FUMER TUE」、その他冒頭に書いた様な、いかに煙草が体に悪いかを示す写真の数々。
で、そういうバリエーションの中に、男女がベッドで互いにそっぽを向いていて、「煙草は毛細血管を収縮させ、性的不能の原因となります」というのがありまして。
ヤニだらけの肺の写真よりも、ボロボロの血管や心臓の写真よりも、これが一番怖いよなぁ、などと考えてしまう所が、男ってバカですね。
ん？そんな事を一般化するなって？そーですか。
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