パリの表玄関である空港は「シャルル・ド・ゴール空港」ですね。
シャルル・ド・ゴールさんは第二次世界大戦の軍人さんです。フランスがドイツに占領され、ド・ゴール将軍はイギリスで亡命政府「自由フランス」を組織しました。そしてイギリスからフランスへ、ラジオ放送でドイツへの抵抗を呼びかけました。2010年にはラジオ放送70周年記念2ユーロ硬貨が発行されてます。
ド・ゴール将軍は戦後初の大統領となって、嫌気がさして引退して、また引っ張り出されて…まぁ、政治家ですから、賛成派・反対派がいる訳で、大統領としての評価は人それぞれですが、一般的に言って「著名な軍人・政治家」な訳ですね。
で、このド・ゴールさんの名前を冠したのがパリのシャルル・ド・ゴール空港です。日本ではこういうのやりませんねぇ。地名とか施設とかにあんまり人の名前は使いませんね。例えば名のある軍人と言うなら「乃木希典空港」とか「東郷平八郎通り」とか、政治家で言えば「吉田茂空港」とか「岸信介通り」とか。
日本の海上自衛隊に、例えば巡洋艦「北条時宗」とか駆逐艦「山本五十六」とかあったらどうでしょうかね。なんかやっぱりヘンでしょうか。
フランス海軍にはヘリ空母をはじめ、「ジャンヌ・ダルク」という艦艇が三隻くらいありますね。
パリにも「ジャンヌ・ダルク通り」がありますよ。パリに限らずフランス中に幾つかあるのでしょうが。そしてパリの「ジャンヌ・ダルク通り」にはまたもや銅像がありますね。
で、今までの銅像は(サント・オーギュスタン教会のはわかりませんが)一応ジャンヌ本人と何かしら関係がある場所でしたが、この「ジャンヌ・ダルク通り」はご本人とは特に関係は無いんだそうです。
ま、でも誰かの名前をつけた通りが全て縁の地って事もありませんしね。別にいいんですが。
「ジャンヌ・ダルク通り」に「ジャンヌ・ダルク」の銅像。まぁ、当たり前と言えば当たり前です。
フランス語WIKIによりますと、エミール・フランソワ・シャトルースさんが1889年に作った石膏像はオルレアン美術館に寄贈されてますが、これをもとにした銅像が1891年、ここに設置されたんだそうです。
で、ジャンヌ・ダルクはフランス東部の「ドンレミー」村(現在の名前は「ドンレミー・ラ・ピュセル」になってますが)で生まれ、大天使ミカエルのお告げを受け、「ヴォークルール」の町の守備隊長「ボードリクール」に掛け合って兵隊を貸して貰い、当時の王太子シャルルの下で戦い、1429年「パテー」の戦いで勝って劣勢を跳ね返し、「ランス」の町でシャルル七世を戴冠させてます。
で、これらの、「」で囲った名前は全てジャンヌ・ダルク通りの近くの通りの名前に残されてます。「大天使ミカエル(サン・ミッシェル)」だけはカルチェ・ラタンにありますけど。
現在は「リニー通り」と名前を変えてますけど、昔「サン・ミッシェル通り」と呼ばれていた通りがサン・トーギュスタン教会の近くにありますね。
話を戻すと、ジャンヌ・ダルク通りの近くに、ジャンヌ・ダルク縁の人や土地の名前を冠した通りが一杯ある訳ですね。他にもジャンヌと共に闘ったジャン・ポトン・ド・ザントライユ、ジャン・デュノワ、エティエンヌ・ド・ヴィニョル(通称「ラ・イール」)とか、ジャンヌとは時代は重なってませんが、百年戦争中盤の国王軍司令官オリヴィエ・ド・クリソンなんかの名前をつけた通りがあります。
寂しくない様に皆でジャンヌを囲んであげてるんでしょうかね。
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