突然ですけど、回答不能の問題です。
遥かな昔から、様々な神学者がこの問題を解決しようと研究を重ねましたが、未だに成功した者は無く、自分なりの回答を得たものは異端として退けられ、この問題を「理解する為には信じなさい」という状況が続いておりますねぇ。
何でいきなりこんな事を言い出したかというと、この「聖三位一体」の名を冠した教会をご紹介するからです。「聖トリニテ(三位一体)教会」ですね。おっさんの大好きな、きれいな教会です。
パリの有名デパート、ギャラリー・ラファイエットの裏側、半分問屋の様なちょっと面白い洋服屋さん街の奥にこの所謂「白亜の教会」があるのですねぇ。
さて、またもや毎度お馴染みペール・スターク。
当時大きな変貌を遂げつつあったショセ・ダンタン地区に、1860年の政令により、この教会の建設が決定され、建築はルバの弟子に当たるテオドール・バリュ(1817-1885)に委ねられた。1861年に建設開始、1867年に完成。教会はパリ市長オスマン男爵から、パリ司教モンセニャール・ダルボワへと正式に引き渡された。この教会の半ばゴシック、半ばルネッサンスの複合様式は当時のの人々を驚かせた。これもバリュの(彼はこの地区の住人でもあった)手による広場には、「信仰」「希望」「慈愛」の寓意像が三つの半円形アーチのアーケードの入り口に置かれており、三段作りの噴水を見下ろしている。教会の入り口ポーチはウージューヌ・ギヨームによるサン・グレゴワール、サン・ティレール、サン・トーギュスタン、サン・タタナスの像で飾られ、一階のテラスにはカルポーの手になる「力」「正義」「慎重」「節制」の像がある。オリジナルの像達は、二度の世界大戦の間に当たる時期にレプリカその場を明け渡している。1980年には鐘と、カヴァイエ・コルのオルガンの修復が行われた。1991年には内部の修復が完成した。
テオドール・バリュさんは助手としてではありますが、サント・クロティルド教会の建築にも携わってますし、一人立ちしてからはサン・タンボワーズ教会も手がけてますね。これまた二つとも、おっさんの大好きな教会であります。
バリュの先生のルイ・ヒッポリット・ルバは修行時代には旧証券取引所を、一人立ちしてからはノートルダム・ロレット教会を造ってますね。
そして建築スタッフの豪華さもさる事ながら、教会正面の彫刻のメンバーも凄いですね。聖人といっても、皆が皆、神学理論に長けてた訳じゃありません。理論はよく解らなくても、心で人々に尽くして聖人になった人だって多い訳ですが、ここにいる四人はいずれも一流の神学者でした。日本風に言えば、グレゴワール=ナジアンゾスのグレゴリウス、イレール=ポワティエのヒラリウス、オーギュスタン=聖アウグスティヌス、アタナス=聖アタナシウス となります。
この難しい問題を皆に考えて貰おうって事でしょうか。
中もきれいですよー。ただ、教会は珍しく正面玄関を開けず、脇の入り口から入りますから、正面が閉まってても、「せっかく来たのに閉まってる」とか思い込んで帰っちゃわないでくださいね。
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