2011年6月30日木曜日

へぇ。

さて今日はこんな写真から始めましょうか。


アレクサンドル三世橋越しのアンヴァリッド。アンヴァリッドは以前書いてるので、今日はアレクサンドル三世橋です。1891年、フランス・ロシア同盟が結ばれた記念に架けられた橋ですね。アレクサンドル三世と同盟を結んだのがフランス大統領サディ・カルノー(6月23日の記事のコンドルセー高校の出身者)です。アレクサンドル三世の息子、ニコライ二世(ロシア最後の皇帝、皇女アナスタシアの父君ですね)によって礎石が置かれ、1900年のパリ万国博覧会に合わせて完成しました。

建築は技師のアメデ・アルビー(ドゥビリー橋、ミラボー橋も彼の手になる橋ですね)、ジャン・レザル(アルビーと共同で前出の二つの橋、他にもベルシー橋、ノートルダム橋)、建築家のカシアン・ベルナール(モンマルトルのトリアノン劇場、メトロのオペラ駅に代表されるネオ・クラシック様式の入り口等)、ガストン・クーザン(この人の資料が見当たらん)に任されました。もともと灰色だったこの橋は、その後緑になり、明るい灰色になり、1998年の修復以降は元の灰色に戻っています。

パリのセーヌ川に架かる橋の中でも最も美しい橋と言われてます。雑誌とかの撮影なんかにもよく使われてますね。

今度は少し角度を変えて、こんな風に見ると…


わかりますか?この橋はセーヌ川の中に柱を立てず、一本のアーチだけで支えられているのですね。ほかの橋は大抵、セーヌ川の中に柱を立て、幾つかのアーチに分かれて支えているんですが、この全長107メートルの橋は一本のアーチだけ。

セーヌ川がちょうどカーブする所で、船の通行を妨げない為と、デザイン上の理由でこういう構造になったそうです。


今度はエッフェル塔とツーショット。

この橋の四隅の石の柱は、それぞれコンセプトがあって、

右岸上流:アルフレッド・シャルル・ルノワールによる「中世のフランス」
柱の上の「芸術」の寓意像はエマニュエル・フレミエ(モン・サン・ミシェルの大天使像、ピラミッド広場のジャンヌ・ダルク像の作者)作。

右岸下流:ギュスターヴ・ミッシェルによる「近代のフランス」
「科学」の寓意像、同じくエマニュエル・フレミエ

左岸上流:ジュール・クータンによる「ルネッサンスのフランス」
「戦い」の寓意像、ピエール・グラネ

左岸下流:ローラン・マルケストによる「ルイ14世のフランス」
「産業」の寓意像、クレモン・シュタイナー

それぞれ美しい彫刻で飾られてますけど、この四本の柱はただの飾りではないのですね。カウンターウェイト、つまり「重石」です。四隅から重石でしっかり押さえておいて、セーヌ川の中には柱は立てないという構造です。

何と豪華な重石だ。そういえば、「ドラゴンボール」のかなり初期の頃、金持ちの夫婦が占いババ様の所に、純金の漬物石をどこにしまい忘れたかを占ってもらいに来てましたね。

実を言うと、この橋にもフレミエさんの彫刻がある事は今回初めて知りました。まだまだですなぁ。

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