2012年1月9日月曜日

こっちが本命だったりして。

リヨンの聖堂といえば普通ノートル・ダムを指すんですけどね。

やっぱりこちから始めよう。サン・ジャン大聖堂です。


これも古い聖堂で、1180年から1480年にかけて、300年がかりで建てられたものです。正確にはL’église Saint-Jean-Baptiste-et-Saint-Étienne(洗礼者ヨハネと聖エティエンヌ教会)といいますが。通称サン・ジャン聖堂で通ってますね。

洗礼者ヨハネはイエスの先駆者となってキリスト教の下地を作った人、イエスに洗礼を施した人として有名ですね。
聖エティエンヌの方はいまひとつ知名度では劣るかも知れませんが、キリスト教最初の殉教者です。日本では聖ステファノと言った方が通りが良いかも知れませんね。ステファノは直系のユダヤ人とユダヤ系ギリシャ人の対立を仲裁した人ですが、彼が持つ「不思議なみ技」の故に妬まれて訴えられ、法廷でもユダヤ批判を行って石打ちの刑になります。


この教会はPrimatiale Saint-Jean de Lyon(サン・ジャン首座主教教会)ともいいます。サン・ジャンは聖ヨハネ。プリマテイアル(首座主教)とはガリアの中心地のひとつと見做されたリヨンに与えられたプリマ・ド・ゴール(ガリアの中心)の称号、そこから首座主教教会をそう呼ぶようになったのだそうで。


1180年から1480年という建築年代が示す通り、この建物にはロマネスクからゴシックへの時代の移り変わりが刻み込まれてますね。「壁」で支えるロマネスク時代から、技術的に力を分散させる事ができる様になって、「柱」で支えるゴシック時代へ。


建築も見事なんですが、ここはやっぱり天文時計を見に行かないとね。


14世紀に作られ、勿論現在に至るまでに何度も修復されてるんでしょうが、時計の上部はからくりになっていて、時間になると「受胎告知」を表す人形達が動き出すんだそうです。


そしてまたこの時計の凄い所は2019年までのキリスト教の祭日の暦が刻まれているという事ですね。700年分か。いまは700年どころか、コンピューターで何千年、何万年先の日付だってすぐ計算できちゃうでしょうがね。14世紀の人たちの頭の中ってどうなってたんだろうか。
2019年といえばもうすぐですね。その時、役目を終えたこの時計はどうなるんでしょうかね。勿論、祭日の暦としては役に立たなくなっても、時計は時を刻み続けるのでしょうが。

人々の心を照らし続けるこういう人達と同じ様に、この時計も、人々の科学や技術に対する探究心を照らし続けるんでしょうかね。

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