パリの地下鉄で、日本語のアナウンスが流れてました。まぁ、別に日本語だけでなく、英語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、色々ある中に「日本語もある」という感じですが。
曰く、
「スリに狙われない様、お持ちのバッグは必ず閉め、貴重品の管理には充分ご注意下さい」
このアナウンスは結構前から流れていましたが、今度は新バージョンが出まして、
「公共の場所での携帯電話やデジタルオーディオ機器の使用には充分ご注意下さい」
だそうです。で、バスの中にも貼紙がありました。ここにも日本語で書いてあります。
iphoneやipodは狙われる様です。グーグルマップやナビ機能を使ってる方、時計代わりに携帯を見る方、多いですよね。ご注意を。
日本も最近結構物騒になったとはいえ、こういう盗難はまだまだ少ない方です。大体が、その辺に忘れ物をして、しばらく経ってから気づいて取りに行ったらまだそこにある、とか、ビュッフェ形式のレストランで場所取りに荷物を置いてそのまま席を立っても大丈夫な国は世界中にそうたくさんはありませんよ。
単純なスリ、置き引き、引ったくりに関しては気をつければほとんど防げます。ショルダーバッグはたすきがけにするとか、(置き引き、引ったくり対策)そのたすきがけのバッグをおなかの所に持って、開く部分(ファスナーとか蓋(?)とか)に手をかけて押さえるとか(スリ対策)。その程度の事でたいてい防げます、と言ったら、日本の方が、「そこまでしなきゃいけないほど危ないんですか?」と聞いて来ました。見解の相違ですねぇ。
まぁ、確かに本当のプロもいる訳で、ポシェットをたすきがけにして、おなかの方に持って、その上からコートを着て、ボタンもかけ、ベルトも締め、それでも掏られた人の話を聞いた時は凄いと思いましたけど。
こういう盗難の他にも、ドロボーさん達は色々な手口を編み出してる様です。
「ジャパニーズ?オー、ナカタ!」とか言ってサッカーの真似を始められ、足を絡められてごちゃごちゃされてる間に掏られたとか、これの「ジュードー!」バージョンもありましたね。
良い機嫌の酔っ払い(演技でしょうね)に握手を求められ、腕時計を掏られたとか。
偽刑事の話なんかは日本のガイドブックなんかでも紹介されて結構有名になりましたよね。道端でいきなり「ポリス!ポリス!」と話しかけて来て、身分証明書、パスポートを見せろとか、「麻薬取引の警戒中だ、現金を持ってるなら見せなさい」とか。普通に考えればありえない事と分かる筈ですが、外国で、しかもいきなり警察に呼び止められたと思うと、パニックになって従ってしまうんでしょうかね。先日これをやられてる最中の日本人旅行者がいて、パリ在住の日本人の方が気づいて、偽刑事を追い払ったんですが、助けられた方の旅行者さんはキョトンとして、「え、でも今の人は警官ですよ?」いや、だから偽物だ、と説明してもあくまでも納得できない様子、「でもやっぱり本物だったんじゃ?」とか言ってたとか。どこまでも善良なんですね。本物の警官ならこそこそ退散したりしませんって。
最近あるのは「指輪」の話でしょうかね。道を歩いていると隣で誰かがいきなりしゃがみこみ、指輪を拾い上げたフリをして、「これ、今、落としませんでしたか?」「いや、落としてないけど」「ふーん、ま、でも落ちてたんだし、貰っちゃえば?」とか何とか、押し付けられてしまい、後から仲間が出て来て、「私の指輪なんだ、買ってくれ(金を出せ)」とかね。おっさんも実物に会った事がありますが。くれても要らない様な変な指輪でしたけどね。
盗難と言うより寄付金詐欺?街頭署名運動の様な感じで(しかも囲まれて)「署名お願いします」何だか分からないままサインさせられてしまうと、今度は「署名したんだから寄付金を出せ」とか。
これも実物に会った事がありますが、新(珍)商売?です。凱旋門近くで、道端に停めた車から、「すみません、私はイタリアのデザイナーですが」と声をかけられ、「実はパリのデパートでプレゼンテーションして、イタリアに帰るガソリン代が足りないので、安くしとくからプレゼンに使った商品を買ってくれませんか」との事。取り出したのは皮ジャン…風の安物のビニールジャンパー。皮だかビニールだか見分けがつかない様に夕暮れの薄暗い時間にやってる様ですが。まぁ、これなんかはある意味ユーモラスというか、パフォーマンスというか、高級革製と謳ってビニールジャンパーを売ったら詐欺でしょうけど、そうは言わないで、あくまでも皮と錯覚させて売りつけるところがミソなんでしょうね。
いろんな事を考えるもんですねぇ、しかし。
こんな事ばっかり読まされたら、嫌になっちゃうかも知れませんけど。
繰り返しますけど、盗難は気をつけていればほとんど防げます。変なのが馴れ馴れしく寄って来たら取り合わないでその場を離れる事です。
勿論、フランスは警戒しなきゃいけないだけの変な国ではありませんよ。それ以上に魅力のある国ですよ。おっさんも20年以上住んでますけど、まだまだ行って見たい所、見てみたい美術館や博物館、山程あります。
警戒するあまりに海外旅行を楽しめないなんてのは本末転倒です。フランスに限らず、海外旅行に出たら、その土地の面白い物、珍しい物、大いに楽しんで下さい。只、頭の片隅にちょっとだけ、「ここは日本とは違う」と言うことだけ、覚えておけば良いんです。
リラックスして旅行は楽しみながら、心のどこかでは常に緊張を保つ。確かに難しい注文ではありますが。
0 件のコメント:
コメントを投稿