2011年4月11日月曜日

探してみてください。

さて、本日はおフランス語について。

日本人にとって一番身近な外国語はやっぱり英語でしょうかね。中学・高校・大学も一般教養の間は英語の授業があるし。流暢には話せなくても、聞いた事のある単語が出て来て、それを糸口に何となく何を言ってるか想像がつくとか、単語を並べただけでも何とか意味が通じた、とかいう事も結構ありますよね。先日あるホテルのフロントで、(オートロックのホテルです)結構年配の日本人女性でしたが、「ミー・ヒア。キー・イン・ザ・ルーム」と言って、部屋の鍵を閉じ込んでしまった事を係員に見事に伝えていました。そう、それで良いんですね。英文法の授業を思い出して「キーを部屋に閉じ込んでしまいました。すみませんが、新しいカードキーを作って頂けませんか」という文章を英訳して、発音に気をつけながら読み上げる必要はどこにもありませんねぇ。

で、話が逸れましたが。先日のカフェ・オ・レや、意味の勘違いはあるにせよランデブーとかパトロンとか、フランス語も日本語の中に結構入ってますよね。今日はそんな話です。

ファッション用語等にフランス語が多いのはまぁ分かり易い所でしょう。フランス語を学び始めた頃、プレ=準備OK、ポルテ=着る、プレタポルテ Pret a Porter=Ready to Wear、既製服を意味するフランス語だったのかと「発見」した覚えがあります。「吊るし」なんて言うと身も蓋も無いですが。プレタポルテと来れば、当然オートクチュールも出て来ますが。オート(単純に「高い」という意味もありますが、ここでは品質が「高い」、または高価、高級の意味です。)クチュール(縫い物)haute couture=高級仕立て服ですよね。「高い縫い物」かぁ。

ブルゾンなんて今やファッション用語にも数えない位に日本語になってます。英語のジャンパーと同じ物ですが、日本ではブルゾンはファッション、ジャンパーは作業着と分類されている様ですね。おしゃれな革ジャンを着た人に「素敵なジャンパーですね」、なんて言ったら怒られちゃいます。清水義範さんが、「ある人から、ジャンパーじゃない、ブルゾンだ!と怒られてしまった。だったらお前ら、革ジャンじゃなくて革ブルと言え!」とか書いてましたが。

料理の世界にも多いですねぇ。メニューに「ナニナニのナントカ風」なんて書いてあっても何の事かさっぱりわからない事も多いですが。日本でシェフと言えば厨房のチーフchef de cuisine=料理長を意味しますね。でも、フランス語の元の意味は厨房に限らずチーフの事。(ウルフ・チーフ?古いだろ。意味違うし。)家族のシェフchef de famille=世帯主、企業の部門のシェフchef de ~(その部門名)=責任者、オーケストラのシェフchef d'orchestre=指揮者、芸術作品のシェフchef d'oeuvre=名作。また話が逸れますけど、このシェフという言葉は日本語で言う「旦那!」というニュアンスの呼び掛けにも使われます。ちょっと、旦那旦那!って呼び込みみたいですけど。

呼び込みされた訳じゃありませんが、銀座のバーで、「ぷーる・ぶー」と言う店がありました。お~、フランス語だ、と看板を見上げた覚えがあります。フランス語で書けば pour vous、英語にすれば for you の意味ですね。ま、おっさんは銀座のバーを梯子する様なご身分じゃありませんが。で、そんな話をしたら日本の女の子が「えー、フランス語で「あなた」の事を「ブー」って言うのぉ?じゃあ今度、あいつ(共通の知り合いで、所謂メタボ体型の人です)にブー、ブーって連発してやろう。で、いや、ブーってフランス語で「あなた」の意味です、ってトボケてやるんだぁ~」と喜んでましたが。いいのかよ、それ。

唐突ですがクーデターもフランス語ですね。Coup d’Etat、国家の一撃。反乱を起こして権力を握る事ですね。カエサル暗殺なんか、歴史上有名なクーデターの一つです。失敗したけど。名台詞「ブルータス、お前もか!」はシェイクスピアの創作で、本人は言ってない様です。日本最古のクーデターは645年の大化の改新だそうで。中大兄皇子に襲撃された蘇我入鹿はさて、何と叫んだのでしょうかね。昔、小学館の「小学六年生」の漫画で、中大兄皇子が「入鹿は居るか!」と叫びながら入鹿の所に乱入するシーンがありましたが。

シャンソン。日本でシャンソンと言えば所謂フランスのシャンソンの事ですね。お~シャンゼリゼ~とか。因みに言うと、日本語では只の「おお」と歌われてますが、「おおシャンゼリゼ」の「おお」は、本来は「aux」、シャンゼリゼ「で」またはシャンゼリゼ「では」という場所を表す言葉です。で、フランス語でシャンソンは単に「歌」という意味です。この点はイタリア語のカンツォーネも同じ、ベルカント唱法で歌うイタリア歌曲に限る訳ではありません。例えば鼻歌を歌っている時にフランス人から「それ何の曲?」と聞かれて、あぁ、これは日本に古くから伝わる「シャンソン」だよ、なんていう会話も成立する訳ですね。

ところで、「目の健康」と聞いて何の事だかすぐ気付く人は多くないのでは?目薬の名前です。まんまですね。フランス語で健康をサンテといいます。英語のofに当たるフランス語はde、目の事を単数形でウイユ、複数形でウーと言います。全部合わせると?そう、サンテ・ド・ウー。ご存知でしょう?ただしこれは文法的には間違いで、フランス語のdeは複数形の場合(目は二つありますし)desになりますので、正確にはサンテ・デ・ズューになる筈です。

う~ん、また勘違い大会になって来た気もするぞ…?
でもまぁフランス語を勉強中の方なんか、こんな感じで、身近に潜んでるフランス語を探してみたら、結構楽しくお勉強できるんじゃないでしょうか。

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