おそ松くんのイヤミはおフランス帰りなのに、何で自分の事を「ミー」と呼ぶのでしょうか。英語で自分の事は「アイ」または「ミー」ですが、フランス語なら「ジュ」または「モワ」です。主語で使う時には「ジュ」、目的語として使う時には「モワ」になります。たけしの定番ギャグで「トワ・エ・モワです」というのがありましたが、これは君と僕、貴方と私、英語なら「You & Me」という意味ですね。丁寧な言葉遣いとしては「ヴ」というのも「貴方」ですが。主語を「ヴ」にして喋ると「貴方は何々ですか?」という感じの改まった言い方になりますね。主語を「テュ」にすると(「トワ」に対応する形です)、「君は何々なの?」といった親しげな表現になります。
ところで、日本語には「私」「自分」を表す言葉が沢山ありますね。これはヨーロッパ人から見るとかなり不思議な様です。わたし、わたくし、あたし、僕、俺、その他、今時実際使う人がいるかどうかは別として、おいら、拙者、某、身共、我輩(閣下ぁ~)妾(「めかけ」じゃありませんよ)、etc。方言まで含めたら相当な数に上るんじゃないでしょうか。
で、話を戻しますが、イヤミの人物像は当時(少年サンデーに連載されたのが1962年でしたね)の、外国帰り、外国かぶれの人を誇張してモデルにしたもので、特定の個人のモデルはいないそうですね。例の喋り方はトニー谷の口調ですが。しかしこのトニー谷さんは、いまだに「こち亀」や「パタリロ」をはじめ、いろんな所にこの人のパロディのキャラが出て来て、すべて胡散臭い役回りなんですが…一世を風靡した芸人さんですけど、どんだけ胡散臭かったのよ。まぁ、イヤミみたいに60年代に「洋行帰り」(えらく古い言葉ですなぁ)を自慢し、やたらに会話に外国語を散りばめたりしたら、そりゃ胡散臭いですよね。今だってそうでしょうけど。
因みにおっさんは会話にやたら横文字を挟み込んだりはしません。というか大抵の事を日本語で言ってしまうので、逆に今の日本の方には通じない事もあります。
レストランにて。「サラダに入っているこの赤紫の物は何ですか?」「甜菜です」「甜菜って何ですか?」「砂糖大根です」「砂糖大根って何ですか?」「サトウキビに次ぐ砂糖の原料で、フランスはこの甜菜の砂糖も多く生産しています。」「へぇ~…でも、これ、ビートじゃないんですか?」「同じです。英語でビート、フランス語でベトラヴ、日本語で甜菜ですね」「あ、何だ、ビートの事か」とか。
同じくレストランにて。「サラダに入っているこの野菜は何ですか?」「茴香です」「茴香って何ですか?」「消化促進や整腸作用のある野菜です。漢方薬の材料にもなってますし、太田胃散や仁丹にも茴香の成分が入ってますね。」「へぇ~、日本では見た事ないなぁ」「ヨーロッパではスーパーマーケットや朝市なんかで普通に売ってる野菜なんですけど、日本ではどちらかといえばハーブとしての方が知られてるかも知れませんね。ハーブとしては英語でフェンネルと呼ばれる事が多いようですが」「あ、何だ、フェンネルの事か」とか。
そのうち、林檎の事を話しても通じなくなって、「あ、何だ、アップルの事か」なんて言われる様になるんじゃないかとか、時々思います。
しかしいつまでたっても本題が始まらんな。まったく。
という訳で今日のディナーはおフレンチざんす。とはいえ、「ディナー」という言葉も日本語と外国語でかなり温度差がありますねぇ。ひょっとして豪華なレストランで優雅に食事をしてる所を想像しませんでした?ディナーといっても、おっさんは単純に「夕食」の意味でしか使ってませんから、盛りきりの麦飯とメザシ一匹でも、御飯に味噌汁をぶっかけただけでも、夕方に食事をすれば立派に「ディナー」です。
で、また脱線ですか。まったく。
本日の「ディナー」はフランス風に、フランスパンのサンドイッチでした。因みにフランスで「フランスパン」と言っても通じませんので念の為。日本で言うフランスパンの事はフランス語では「バゲット」といいます。バゲット…読んで字の如しですね。これまた単純に「棒」という意味ですが。
で、本日のディナーはポム・ド・パンのジェネルーセット7.70ユーロでした。このポム・ド・パンはフランスパンのサンドイッチのチェーン店で、パリ市内に幾つもあります。流石フランス、ハンバーガーショップがある様な感覚で、フランスパンサンドイッチの店があります。写真はシャンゼリゼ店。今日夕食をとったのはオペラ店ですけどね。細かい事は気にしない。
夕食という割に写真が昼間じゃないかって?細かい事は気にしない。
Pomme de Pinといえば松ぼっくりの事ですが、フランス語でもパンはpain、パンです。松ぼっくりと「パンの果実(?)」とを引っ掛けてPomme de Painですね。この松ぼっくりマークのサンドイッチ屋さん、ファーストフードのチェーン店ではありますが、結構いけますので、パリで何かフランスらしい、でも軽いものを食べたいな、なんていう時には中々宜しいですよ。
ジェネルー以外にも色んなのがありますし、日替わりメニューなんかもあります。
ヨーロッパは買い食い、食べ歩きも別にお行儀悪いとは思われないですし、天気の良い日なら、公園のベンチなんかでランチも良いですね。
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