2011年4月8日金曜日

餡かけ 下膨れ

うんうん。大根のそぼろ餡かけ、餡かけチャーハン、良いですねぇ。そんなに餡かけばっかり食べていたら太って下膨れになってしまったと。いや、そういう話じゃないから。

お店に入る時に、フランスの人は必ず店員さんにボンジュール(こんにちは)を言いますよね。日本の方はあまりそういう習慣はないので、お店に入って、すぐに商品の陳列棚に向かう訳ですが、店員さんはそれを不思議な物を見る様な目つきで見てたり、中には「フランスではボンジュールと言うんだ!」とか怒り出す店員さんもいます。映画館や地下鉄の切符売り場も、日本の方はいきなり「大人一枚」。フランス人はやっぱりボンジュールから入ります。

挨拶の言葉、ボンジュール=こんにちは(フランス語には「おはよう」と「こんにちは」の区別はないので、朝でもボンジュールです。) ボンソワール=こんばんは 位、窓口の係員さんや店員さんにかけてあげましょう。とっさに言葉が出て来なかったらハ~イ!でもハロー!でも良いんですから。
でもまぁ挨拶に限らず、片言でもフランス語を使ってあげるとフランス人も喜びます。ガイドブック等にも色々語呂合わせが載ってますね。メルシー(有難う)を「飯」、シルブプレ(お願いします)を「新聞くれ」とか「下膨れ」とか。ある団体ツアーの添乗員さんが、お客さんに説明して曰く、喫茶店でコーヒーを注文する時は「餡かけ」(アンカフェ=コーヒー一杯)「下膨れ」(シルブプレ=お願いします)。「餡かけ 下膨れ」これで充分通じます、と。ホントかな。今度試してみよう。

逆も又真なりで、外国人が日本語を覚える為の語呂合わせというのもやっぱりある訳です。有名なのが「ありがとう」をアリゲイタ(鰐)、どういたしましてをDon’t touch my mustache(私の髭に触るな)、というやつですね。そう覚えていたら、いざ使う時に間違えてアリゲイタのつもりがクロコダイルと言ってしまった、なんてオチもありますが。
パリのカフェで「餡かけ」と言う筈が間違って「甘酢」と言ってしまったとか、無いよなぁ。

ところでフランスのカフェで例の「餡かけ 下膨れ」をやると、出て来るのはエスプレッソでして、日本で言う様なブレンドコーヒー、アメリカンコーヒーというのはまずありませんので念の為。まぁ、トルコやギリシャの様な、コーヒー粉が下に沈殿してて上澄みを飲む様なコーヒーとか、イタリアの、エスプレッソカップの半分位しかない濃~いコーヒー程ではないにしろ、日頃アメリカンコーヒー専門でエスプレッソは苦手、という方にはちょっときついかも知れません。
薄めのがよろしければとりあえず、「アン カフェ アロンジェ シルブプレ」と言ってみてください。一杯分のコーヒー粉と二杯分のお湯でたてた、半分の濃さのコーヒーが出て来る筈です。中には、エスプレッソと、ミルクピッチャーに入ったお湯が出て来て、自分で薄めて飲め、なんていう店もありますが。「カフェ ロン」という言い方もあります。ロンは英語のロングと同じ、長いという意味ですが、こう言うと、アロンジェ程ではありませんが、多めのお湯でたてたコーヒーが出て来ます。
逆にイタリアンコーヒーで気取りたい時には「アン セレ シルブプレ」と言ってみましょう。セレとはぎゅっと詰まった、という意味ですので、イタリアの様な濃いコーヒーが出て来ます。

日本とフランスの喫茶店・カフェの違いといえばもう一つ。日本の喫茶店はコーヒーを注文すればミルクは自動的について来ます。「ご自由にお取りください」の棚にミルクが置いてある店も多いですね。フランスでコーヒーを注文すると自動的にブラックです。砂糖はついて来るか、立ち飲みならバーカウンターに置いてありますが、ミルクはありません。ミルクが入ってるのがよろしければ、昨日も書きましたけど「カフェ・オ・レ」と注文してください。コーヒーを注文した後に、改めて「ミルクをください」というとボーイさんが「えっ?」という様な、変な顔をする事が多いです。ミルクが入ってた方が良いんだけど、あの大きなカップじゃ多過ぎる、という方は「ノワゼット」ですね。ミルクを加えたエスプレッソです。まぁ、普通のコーヒーより幾らか高いですけど、カフェ・オ・レは普通のエスプレッソの二倍位の値段ですからね。ノワゼットとはハシバミの実の事で、少しミルクを注いだエスプレッソの色が、ドングリみたいなハシバミの実の茶色に似ている所からそういうんだとか。そういえば、タヒチだかどこだか、フランス海外圏出身の人達の、濃い目の肌の色を「カフェ・オ・レ」と形容する言い方もあるそうですね。

さらにもう一つの違い。フランスのカフェはカウンターで立ち飲みと席に座って飲むので値段が倍違いますのでこれも覚えて置いて下さい。座って飲むと高級喫茶店価格、立ち飲みならドトール価格といった所でしょうか。トイレに行きたくなったけど、公衆トイレはあまり無いパリの町の事、カフェにでも入ってトイレを使おうか、なんていう時はカウンターで立ち飲みで充分ですね。
更に、地方やお店にも依りますが、室内の席よりテラス席の方が高い事も結構ありますね。特に地方に行くと、パリ式の、立ち飲みか席に着くかの価格差とはまた違って、カウンターでも席でも値段は同じだけど、テラス席だと高い、なんていう店があったりします。パリではあまりない様ですが…まぁ、田舎に行けば、町の広場を見渡せる店の前にテーブルと椅子を並べたテラス席でお茶、なんてのも良いですし、それで若干値段が高くなるとしてもこのノンビリした雰囲気を味わえるならいいか、という気にもなります。パリでは…テラス席といっても交通量の多い道路脇の舗道にテーブルと椅子を並べただけというのが多いですから、これが高かったらちょっとねぇ。

コーヒーと言えば…ヘドバとダビデの名曲「ナオミの夢」は、元はコーヒーのCMソングだったんだそうですね。「何だい、藪から棒に」「いーえ、壁から釘です」…このネタが通じる方は、落語ファンか「パタリロ!」ファンでしょう、きっと。魔夜峰央さんは落語ファンだそうですね。落語からネタをとった話は「パタリロ!」にかなりたくさん出て来ますしね。
大体ヘドバとダビデねぇ。「ナオミの夢」は1970年の発表です。まぁ、藤原紀香のTVドラマの主題歌で覚えてる方もいるかも知れませんが…あれだって1999年ですし。まったくね。「以前」という言葉の意味する所が20~30~40年前の事だったりする訳ですから、生え際も後退しますわな、そりゃ。

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