先日メトロの広告スペースに貼り出されていたポスター。
フットロッカーというスポーツシューズ屋さんとナイキのコラボ企画、「スーパー・ナチュラル・フリーダム」というタイトルですが、詳しい内容は存じません。新しいスポーツシューズか、フットロッカー限定の特別デザインの靴なんだか、ともかく靴底の画像をたくさん並べて、「スーパー・ナチュラル・フリーダム」らしく「鳥」の形を作ったつもりなのでしょうが、これを「鳥」と呼ぶにはちょっと無理があるんでないかい?
おっさんの目にはどうしても「ギャオス」に見えてしまうのですが。
平成版「ギャオス」もありますので若い方でもご存知の方は多いでしょう。
おっさんにとってはやはり「昭和ガメラ」シリーズの三作目「ガメラ対ギャオス」(1967)なのですがね。しかしこの映画、ギャオスが現れて大騒ぎになる一帯が「東名高速道路建設予定地」で、「建設反対運動」が起こっていたり、ギャオス騒ぎによって建設現場の作業員がみんな逃げ出してしまい、残ったのは主任の他にはたった二人だけ。で、その残った作業員が「熊さん」と「八公」ってのがまた。時代を感じますなぁ。
大体メトロの駅構内の広告って、こんな風にコミカルな内容でちょっと笑えるのが多い訳ですが、先日いささか毛色の違うのを見かけまして。
「『落ち込み』の一夜」というものでして、いやぁ、落ち込んでますねぇ。
「あなたの大好きなアーティストがそれぞれの悲しい歌を歌います」
「暗い服装でお越しください」
とか、日本人のおっさんの目から見ればどこまでも能天気に見えるおフランス人様にもこういう瞬間はあるのですねぇ。ま、おっさん本人の性格が暗いですから、その分、明るいラテン系のフランス人の性格が余計能天気に見えるのでしょうが。
とはいえ、フランスに輪をかけてラテン系であるイタリアで生まれた「四性説」にも「憂鬱質」というのがありますね。「四性説」とは、人間の体内を流れる四つの液体のバランスによって性格が決まるというもので、今で言うなら血液型占いに近いです。
血液、粘液、胆汁、黒胆汁の四つの液体が人間の体内にあり、どの体液が支配的かによって人の性格が決まる訳ですが、このうち黒胆汁に支配される「憂鬱質」は、必ず頬杖をついた姿で表されます。
デューラーの版画「メランコリア」なんか、ググったらいくらでも画像が出て来ると思いますが、ちゃんと頬杖をついてます。とはいえ、デューラーの「メランコリア」はルネッサンス期の思想家マルシリオ・フィチーノによって「憂鬱質の人間は『ダメ人間』であり、普通の人々から見れば『不適格者』であるが故に、その『普通でない』一面が良い方向に発揮されれば、常人では考えられない途轍もない大きな事をやってのける」という付加価値が後付けされたものですがね。
元々「憂鬱質」は『ダメ人間』としか看做されなかったのですが、自分自身「憂鬱質」であったフィチーノは、「だからこそ常人とは発想が違うのだ」という部分を付け加えたのですね。
確かに元は落ちこぼれ、でもその後大人物になったという人は多いです。ナポレオン然り、ニュートン然り、アインシュタイン然り。
なんていう事は全て脇に置いといて、このイラストの頬杖をついた女の子、可愛いじゃないか。こういうの結構好きです。なんとなく「メンヘラちゃん」を思わせたりして。というか、だから目に留まったんですがね。
結論がそれかい。
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