…米英…
なんて事を言う程古くはないんですがね。
アメリカとイギリスのお話。
太平洋戦争終結後、白洲次郎さんは進駐軍(古いなぁ、今は何て言うんだろう?占領軍?)に対しても日本人の誇りを失わず、堂々と接したそうですが、白洲さんは完璧なオックスブリッジ・イングリッシュ(オックスフォードやケンブリッジで学んだエリートのイギリス英語)を話したそうですね。
で、GHQの高官から「英語が上手ですね」とアメリカのカジュアルな英語で言われたもんだから、「あなたももっと勉強すれば上手くなりますよ」とオックスブリッジ・イングリッシュで言い返したとか。ハーバード訛りみたいなもんか。
御存知の通り、同じ英語でも色々と違いがあるのですね。
ロンドンのタクシーの運転手さんの英語の事とか、「四重人格」の事とか、2011/5/20のネタをお読み頂ければと思いますが。
今度はアメリカ語とイギリス語のお話です。
日本の英語はどっちかと言えばアメリカ語が主流ですね。パリで見かける英語はイギリス語が多いです。
とあるホテルにて。
アソンスール(Ascenseurs)とはフランス語でエレベーターの事ですが、その下の英語表記はElevaterではなくて、リフト(Lifts)です。アメリカ語で「エレベーター」、イギリス語で「リフト」。
その他「パンツ」と「トラウザー」とか、「スケジュール」と「タイム・テーブル」とか、色々と。(スケジュールと書いても、イギリス人は「シェジュール」と発音しますよね。)
先日、日本から見えた方が、パリのレストランの料理のあまりの量の多さについにギブアップしてしまい、もう食べられないから「下げてください」という意味で「テイク・アウェイ」と言ったら、残った料理をお持ち帰り用のパックに入れて持って来たので驚いた、なんて話をしてました。
しかし「下げてください」に「テイク・アウェイ」ですか?「プリーズ」位つけましょうよ、てかそれはさて置き。
イギリス語で「テイク・アウェイ」と言うと、日本で言う(従ってアメリカ語の)「テイク・アウト」に当たるのですね。だからボーイさんは残りの料理を「持ち帰る」のだと思って、親切にパック詰めにしてくれた訳です。
お、うまそうじゃないか、タンドーリ。じゃなくて。
「Eat in」はフランス語では「Sur Place(スュル・プラス)」その場で、と言う意味ですね。
テイクアウトは「A Emporte(ア・アンポルテ)」ですが…指差しフランス語会話集なんかにはそう書いてあるんですが、このEmの発音はアンとオンの中間音で、実際にはどちらかと言うと「オンポルテ」と聞こえます。
耐久レースで有名な「ル・マン(Le Mans)」もフランス語の発音では「ル・モン」に聞こえますね。以前レースを見に行った時、日本の方が
「へぇ、フランスではル・マンの事をル・モンって言うのか」
なんて言ってたんですが、いや、ル・マンの方が日本訛りなんですけど。ジャクソン・ファイブを聞いて「フィンガーファイブに似てる」とか言う様なもんか。喩えが古いな。
で、「お持ち帰り」が「Take Away」。フランス人やイギリス人がナンパや合コンの時にこの言葉を使うかどうかは存じません。
じゃあ、本当にお腹一杯でもう食べられないから「下げてください」と言う時にはどう言えばいいのか?
「レストランで食べ切れなくてボーイさんに『I'm full』と言ったら通じなかったんですけど…」
なんて言ってた方もいましたが。「I'm full」ねぇ。ところで本当に英語でそう言うのかいな?よく知りませんが。
まだお皿に料理が残っていても、「食べ終わった」「この皿はもう終わり」という意味で「フィニッシュ」でも通じますけど、
「そーりー、いと わず べりーぐっど、ばっと とぅー まっち ふぉー みー」
位の事は言いましょうよ。で、お腹をポンポンと叩いて見せれば分かってくれるでしょう。
敢えてフランス語で言ってみたければ
「えくすきゅぜ・もわ、せて とれ ぼん、め とろ ぷーる もわ」
ですかね。「フィニッシュ」「テイク・アウェイ」の一言じゃちょっとね。
しかしなぁ…
詳しくは2011/4/7のネタをお読み頂きたいのですが、先日、
「夕方の飛行機で日本に帰るのに、12時にはホテルをチェックアウトしなければならない。ホテルに荷物を預かって貰うには何と言ったら良いんでしょうか?」
と訊かれて、例によって
「ぷりーず きーぷ まい ばげーじ。あい かむ ばっく あっと すりー さーてぃー。 で充分通じますよ」
と言いかけたら、
「え?え?そんなに一遍に言われたら覚えられない!え?何ですか?『ぷりーず』?はい、『プリーズ』。で、それから?『きーぷ』?『キープ』はい。…」
とメモを取り始めた方もいまして…
これまた2011/6/24に書きましたが、どうですかね。自分で英語が話せないと頭から思い込んでる方、中学・高校の英語の教科書、もう一度引っ張り出して読んでみませんか?
おっさんは英語に限らず、子供達の学校の教科書を読むのが結構好きなんですが。
子持ちの方、如何でしょう。面白いですよー。
おっさんの子供時代には「いい国作ろう鎌倉幕府」と語呂合わせで覚えた様に、鎌倉時代は頼朝が征夷大将軍に任命された1192年からと教わったものです。現在でも、如何に実際に政権を掌握していようとも、「征夷大将軍」を戴かないうちは正式な幕府ではないという解釈もありますが、公式には幕府の実効支配が確立した1185年を鎌倉時代の始まりとする説の方が主流ですね。
更に言えば、頼朝が「寿永の宣旨」によって朝廷から坂東の支配権を認められた1183年からという説、1180年「以仁王の挙兵」に続く治承・寿永の乱と頼朝の挙兵をもって鎌倉時代の始まりとする説もあり、はたまた鎌倉幕府の基本法たる「御成敗式目」が制定された年と言うなら執権・北条氏の時代に入ってからの1232年です。
「鎌倉時代は何年から?」という単純な問いに対してさえこれだけの解釈がある訳です。
時代は変わって行くのですねぇ。どうですか?お子さんの教科書を読んでみるのもたまには良いかも知れません。
英語の話をするのに鎌倉時代まで遡らなきゃならんのか。
まぁ、現代英語の基礎を形作る事になるウィリアム征服王のイギリス征服は1066年ですがね。それまで話されていた古英語(サクソン語)と、支配階級に入って来たフランス語がミックスされて現在の英語の基礎ができる訳ですが。
やっと話がヨーロッパに帰って来たか。やれやれ。
0 件のコメント:
コメントを投稿